○…静岡県民にとって年末年始の大きな楽しみの1つ、全国高校サッカー選手権が30日開幕する。本県からは藤枝東が3年ぶり22度目の出場を果たす。藤枝明誠との「藤枝ダービー」の県大会決勝を制し、目指すは同校として1970年以来、県勢としても12年ぶりの頂点。しかし、その前に何としても97年の同校以来、県勢が遠ざかっている国立競技場の大舞台、すなわちベスト4進出は頼みたい。
○…藤枝東はDF鳥羽亮佑選手、MFの河井陽介選手、石神幸征選手、FW松田純也選手のU-18(18歳以下)の日本代表、代表候補経験者を擁する。今夏のSBSカップ国際ユースサッカーでは、彼らにDF村松大輔選手を加えた5選手を静岡ユースに送り、大先輩の中山雅史選手(磐田)時代以来22年ぶりの静岡ユース優勝もけん引した。初戦で対戦する香川西は2年連続3度目の出場。4バックに180センチ近い長身選手をそろえ、堅く守って、サイドから崩すサッカーで香川県大会を制した。同県内では公式戦20連勝と圧倒的な強さを誇る。
○…とはいえ、ベスト4を目指す同一ブロックで藤枝東の1歩リードは間違いないだろうが、U-18日本代表FWの宮沢選手を擁する室蘭大谷(北海道)、鹿児島実業、日大藤沢(神奈川)などは要注意。別ブロックでの注目は、高円宮杯全日本ユース(U-18)を初制覇した流通経大柏(千葉)。県大会決勝では夏の全国総体王者の市立船橋を下した。総体準優勝の星稜(石川)は昨年の8強を超えて国立を目指す。
○…23年ぶり復活の島原商(長崎)、一昨年の優勝で全国の注目を集めた野洲(滋賀)、野球部が夏の甲子園を制した佐賀北、多々良学園から校名を昨秋変更した高川学園(山口)をはじめ、前橋育英(群馬)、帝京(東京A)、韮崎(山梨)、秋田商、奈良育英、岐阜工、富山一、作陽(岡山)など常連校や、都立三鷹(東京B)や熊本ルーテル学院、神戸科学技術(兵庫)、埼玉栄など初出場校の戦いぶりも楽しみだ。
○…個人的に注目しているチームがもう1つある。こちらも初出場の那覇(沖縄)だ。筆者の細君と大平睦夫監督は、沖縄・首里高で同級親友の間柄。昨年の県大会は決勝で那覇西に敗れ、今夏の総体県予選は準決勝で、優勝した西原にPK戦で屈した。首里とともに同県屈指の進学校だが、2度の悔しさをバネに3年生は引退せず、「全国行き」の夢を結実させた。
○…かつて大平監督はスポーツ少年団を率い、静岡市清水区で開催される全国少年少女草サッカー大会にもやって来た。当時の子供たちが高校進学のころから那覇を指導し始め、悲願の初出場を決めたイレブンの多くも、同少年団OBだという。当時も今も手弁当で指導に当たる。少年団指導時代は母校首里の練習に顔を出しこともあったが、創立100年の節目を迎えた“ライバル校”の指揮官として晴れ舞台に臨む。
○…那覇の初戦の相手福井商も初出場。一昨年の全国総体で準優勝した那覇西の沖縄旋風の再現とまではいわないが、「エースがいない分、総力戦」の合言葉で精いっぱい戦ってほしい。藤枝東、那覇ともに初戦は31日。藤枝東は等々力陸上競技場で午後0時10分、那覇は三ツ沢球技場で午後2時10分キックオフ。鬼が笑うかもしれないが、決勝での対戦を夢見てみたい。
(12/27 掛井 一也)
「だんまく」とはスポーツ大会で目にする応援用「横断幕」の通称。時に温かい声援、時に檄文(げきぶん)の横断幕にならい、静岡県内スポーツ界の出来事を中心に、折に触れた話題を取り上げます。