○…ジュビロ磐田、清水エスパルス、双方のファンに厳しい今季のサッカーJリーグ・ナビスコ杯だ。予選リーグ(L)2試合を残して磐田は早々の敗退が決定し、清水は最下位で首の皮1枚とどまっている。予選4組の各組1位と、2位の中から上位2チーム、AFCチャンピオンズリーグ出場で予選Lシードの浦和と川崎の8チームが決勝トーナメント(T)に進出する。清水の予選L突破の可能性は、残り試合の連勝を絶対条件に、なおも他力本願と土俵際だ。過去14回のナビスコ杯の歴史で、県勢両チームがそろって予選敗退したことはない。
○…ナビスコ杯はJリーグ発足の前年、1992年に始まった。清水は第1回から、磐田は第2回大会から参加。清水は第1回と第2回で準優勝し、96年の第4回(95年は開催せず)で悲願のタイトル奪取。磐田も第3回と第5回で準優勝し、98年の第6回は清水との準決勝ダービーを制して頂点も極めた。清水、磐田ともAFCチャンピオンズリーグ出場で予選Lシード各1度含め、ベスト8以上の成績は磐田が10度、清水も9度を数える。
○…一方で、最近のナビスコ杯は“低迷”が続く。04年以降の決勝T進出は、磐田が2度(1度は予選シード)、清水は1度。加えて、両チームとも決勝T1回戦である準々決勝を突破できない。昨年の清水は予選L敗退を経験し、磐田も04年は予選グループ最下位で敗退した。確かに、リーグ戦とカップ戦が混在する日程は、県勢チ-ムに限らず難しい面もあるだろう。サポーターの視点も然りだ。予選Lの不出来も「リーグ戦での修正に向けた“薬”」と受け止め、日ごろリーグ戦の勝敗に厳しい人でさえ「カップ戦で変に勝ち進むよりは…」と言ってしまう。
○…もちろん、何よりもリーグ戦だろう。しかし、海外におけるカップ戦の名誉を見れば、日本のそれは軽すぎはしないだろうか。日本でも決勝進出や優勝ともなれば、サポーターの歓喜も大きなものはあるが、いまだにナビスコ杯を「お菓子杯」と別称する現状や、天皇杯4強に進んでなお「リーグ終了で1度切れたでモチベーションの持っていき方が難しい」といわれてしまう実情は、リーグ中心主義を隠れみのにした言い訳に思えてしまう。前年のリーグ覇者と天皇杯覇者が対戦するゼロックス杯も、“頂上決戦”“シーズン開幕”の言葉先行が現実ではないだろうか。
○…確かにリーグとナビスコ杯の2冠は、プロリーグ発足当初のヴェルディ川崎(93、94年)と、天皇杯との3冠を達成した鹿島アントラーズ(00年)しかない。リーグ戦とカップ戦合わせて頂点を極めるには運も必要だろうが、同じ時期の同じチームである以上、リーグ戦とカップ戦の出来不出来は連動しているはずだ。予選Lはゴールデンウイーク明けに再開する。その間、リーグ戦は5試合。清水、磐田ともに、何が変わって、何が変わらないのか。確かめてみたい。
(4/14 掛井 一也)
「だんまく」とはスポーツ大会で目にする応援用「横断幕」の通称。時に温かい声援、時に檄文(げきぶん)の横断幕にならい、静岡県内スポーツ界の出来事を中心に、折に触れた話題を取り上げます。