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2007年「スポーツコラムだんまく」

浦和に託すアジア王者枠

2007/10/31

 ○…サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で浦和レッズが王手を掛けた。決勝の相手はセパハン(イラン)。川崎が準々決勝で敗れた相手だ。各国リーグ王者によるアジアクラブ選手権と、各国カップ戦王者によるアジア・カップウィナーズカップが統合されて3回目の今大会。両チームとも自国内クラブ初の決勝進出を決めた。制覇の先には12月に日本で開催されるFIFA(国際サッカー連盟)クラブワールドカップが控える。ぜひとも浦和には、その大舞台に立ってもらいたい。


 ○…前身大会では、1998ー1999年のアジアクラブ選手権でジュビロ磐田、1999-2000年のアジア・カップウィナーズカップで清水エスパルスが、それぞれ“アジア王者”の称号を得た。磐田はアジア・カップウィナーズカップ王者のアルイテハド(サウジアラビア)とのアジア・スーパーカップを戦い、アウエーゴール数で決着という接戦を制した。敵地での第2戦を前に10万観衆をあ然と見渡す当時のイレブンの姿は、磐田のクラブハウスに張られた特大ポスターで今も見られる。アジア・スーパーカップ8回の歴史で日本の戴冠は磐田だけである。


 ○…今回の浦和は磐田以来のタイトルに王手を掛けたことになる。何よりも、その先に控えるFIFAクラブワールドカップは、当時の磐田イレブンの目前で消えた世界クラブ選手権が前身である。磐田が出場するはずであった2001年スペイン大会は、レアル・マドリッドとの初戦の組み合わせまで決まっていた。しかし、広告代理店の倒産という事態で大会は直前に中止となり、「日本代表より強いのでは」とまでいわれた常勝磐田の世界進出はならなかった。その悔しさをバネにリーグ完全制覇の偉業を成し遂げたが、大会中止は返す返すも残念でならない。


 ○…世界クラブ選手権は5年の空白を経て、トヨタカップを吸収して再出発した。昨年からはクラブワールドカップと名称も変わり、来年までの日本開催も約束されている。今回からは「開催国枠」が認められ、Jリーグ王者が出場できる。しかし、筆者が浦和に期待するのは、優勝しながら無念をかこった磐田の分も世界の舞台で暴れてほしいという思いや、翌年のスーパーカップで中東勢連覇の歓喜を見つめた清水の悔しさを晴らしてほしいという思いとともに、日本のクラブが開催国枠ではなく、アジア王者として胸を張って出場してほしいという切実な願いだ。


 ○…浦和が優勝した場合、開催国枠は消滅する。その枠は「優勝に準じたチーム」としてセパハンの出場が決まっている。埼玉スタジアムで行われた準決勝第2戦。城南一和(韓国)とのPK戦を5万余の深紅のサポーターが後押しした。韓国代表サポーターの赤を見慣れた相手でさえ圧倒されただろう。ホーム1試合平均4万人の集客は、既にワールドクラス。世界に挑むサポーターの準備は出来ている。ACLとの過密日程で連覇を狙うJリーグも独走中だ。アジアが誇る「ビッグクラブ」ぶりを世界に見せ付けてほしい。決勝は11月7、14日、イランと埼玉で行われる。

(10/31 掛井 一也)

 

 「だんまく」とはスポーツ大会で目にする応援用「横断幕」の通称。時に温かい声援、時に檄文(げきぶん)の横断幕にならい、静岡県内スポーツ界の出来事を中心に、折に触れた話題を取り上げます。




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