○…あけましておめでとうございます。本欄3年目の今年はオリンピックイヤー。1964年の東京、1988年のソウルに次いでアジアで20年ぶり、3回目の夏季五輪が北京を主会場に開かれる。前回のアテネ五輪は9競技に13人の静岡県勢が出場した。今回は何人が「日の丸戦士」として、北京の晴れ舞台に立つのか。大会は8月8日から17日間。6月には日本代表の全選手の顔ぶれが出そろう予定だが、既に静岡県勢では陸上近代五種の村上佳宏選手(自衛隊、沼津学園=現飛龍=高出)が出場を決めた。反町康治監督(清水東高出)率いるサッカー男子もアジア予選を突破し、最終代表発表の際には何人の県勢の名前が呼ばれるか楽しみだ。
○…また、昨年暮れには静岡県勢のうれしいニュースが飛び込んだ。レスリングの五輪代表選考会の1つの全日本選手権の男子。松永共広選手(綜合警備保障、沼津学園高出)がフリースタイル55キロ級で4連覇、グレコローマンスタイル74キロ級の岩崎裕樹選手(銀水荘)が2年ぶりの王座に返り咲き、同55キロ級で長谷川恒平選手(福一漁業、焼津中央高出)が初優勝を飾った。3選手とも3月に韓国で開かれるアジア選手権と4、5月の最終予選で五輪出場枠獲得を目指す。松永、長谷川両選手は焼津市の出身、香川県出身の岩崎選手は伊豆で温泉ホテルを展開する会社に所属して県勢に仲間入りした。ぜひ、3選手ともに代表枠を手にしてほしいと願う。
○…北京行きを決めた男子サッカーは、2次予選や最終予選に、GKの山本海人選手(清水エスパルス)、DFの青山直晃選手(清水)と内田篤人選手(鹿島アントラーズ、清水東高出)、MFの水野晃樹選手(ジェフ千葉、清水商高出)と上田康太選手(ジュビロ磐田)、FWのカレン・ロバート選手(磐田)と岡崎慎司選手(清水)の県勢7人が招集された。沼津市出身の山本昌邦氏(日大三島高出)が率いた前回は、オーバーエージ枠の小野伸二選手(沼津市出身)を含めて3人にとどまっただけに、最終代表選考でも県勢が大半を占めることを期待したい。それは、2年後のワールドカップ南アフリカ大会を目指すフル代表に通ずる道でもある。
○…球技の五輪出場権獲得は、県勢代表の総数アップに大きく貢献する。しかし、サッカー以外で県勢が関係する球技は苦戦が続いている。静岡市にシャンソン化粧品を抱く女子バスケットボール、男子の東レを三島市に抱くバレーボールとも、出場権獲得の戦いは越年となった。4大会ぶりの五輪切符を目指す男子バレーは昨年11月のワールドカップで、東レから斎藤信治、今田祐介、富松崇彰、田辺修、阿部裕太の5選手が選ばれたが、地元開催にも9位と低迷し、5月のアジア予選兼世界最終予選にかける。同様にアジア予選兼世界最終予選に望みをつなぐ女子バレーでは、杉山祥子選手(NEC、富士見高出)がアテネに続く五輪の舞台を目指す。
○…前回2大会ぶりで五輪に出場した女子バスケットは、昨年6月のアジア選手権で2大会ぶりにメダルは獲得した。しかし、3位では五輪切符を得られず、戦いは参加12カ国が5枚の切符を目指す6月の世界選手権に持ち越された。アテネの舞台には日本代表チームのエース永田睦子選手や江口真紀選手を送ったシャンソンも、アジア選手権代表に選ばれたのは渡辺由夏選手だけ。かつて代表チームの大半を占めた名門の復活に向けても、渡辺選手にはシャンソンの代表として世界選手権での健闘を祈りたい。
○…アテネの体操男子団体金メダリストで、昨年の世界選手権でメダル4個を獲得した水鳥寿思選手(徳州会、静岡市出身)、女子走り幅跳びの池田久美子選手、男子やり投げの村上幸史選手の陸上スズキ(浜松市)勢、卓球男子の水谷隼選手(青森山田高、磐田市出身)、競泳男子200メートル個人メドレーの高桑健選手(自衛隊、日大三島高出)らにとっても、「勝負の年」の幕が開けた。アジアの鉄人と呼ばれた父重信氏(沼津市出身)のDNAを受け継いだ陸上男子ハンマー投げのアテネ五輪の覇者室伏広治選手(ミズノ)も沼津市生まれ。前回はハンガリー選手の薬物違反で繰り上がり、手にした金メダルだった。五輪表彰台で初めて聴く君が代を、本県関係アスリートの栄誉として期待したい。
(1/1 掛井 一也)
「だんまく」とはスポーツ大会で目にする応援用「横断幕」の通称。時に温かい声援、時に檄文(げきぶん)の横断幕にならい、静岡県内スポーツ界の出来事を中心に、折に触れた話題を取り上げます。