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スポーツコラム だんまく

春連覇へ常葉菊川

2008/01/26

 ○…昨秋の東海大会を連覇し、今春の選抜大会の前哨戦ともいえた明治神宮大会も初制覇した常葉菊川高野球部。2年連続3度目のセンバツ甲子園出場決定の報を受けたナインの姿は、歓喜爆発というよりも、再び巡る全国頂点への道を楽しみにする表情に包まれた。東海大会を制した段階で出場は“確実”だったこともあるが、静岡新聞に載った「決まったということだけ」(4番打者の酒井嵩裕選手)という泰然にも似た受け止めにように、「強豪」の言葉をあらためて実感した。


 ○…スポーツ観戦が多様化する中でも、一般を巻き込んだ関心は高校野球がやはり高く、これに静岡県の場合は高校サッカーを加えた2競技の注目度が圧倒的だろう。そして、これら県内2競技は昨年から、「ナン年ぶり」「ナン十年ぶり」の言葉に彩られた。一昨年夏の甲子園で静岡商が「32年ぶり」の出場を果たしたのを皮切りに、昨春の甲子園で常葉菊川が「29年ぶり」で優勝旗を本県に持ち帰り、夏の甲子園で同校は大会史上「19年ぶり」の春夏連覇にこそ一歩及ばなかったが、県勢「34年ぶり」となるベスト4まで歩を進めた。


 ○…高校サッカーも全国選手権で藤枝東が、同校「37年ぶり」、県勢「12年ぶり」の優勝こそ逃したが、同校「35年ぶり」の決勝進出を果たした。県勢「12年ぶり」のベスト4進出で国立競技場のピッチに立ち、1週間後の決勝進出も決めると、早くも地元では祝賀パレードの計画が持ち上がった。服部康雄監督は当初、準優勝時の実施は固辞したい意向を示したというが、「決勝まで進んだんだから十分に頑張った」という関係者の意見に押し切られた。結果、優勝パレードとはならなかったが、4万人の市民が沿道に出迎えた。試合後は悔しさにあふれたイレブンだったが、「準優勝パレード」を恥ずかしがる素振りもなく、満面の笑みでジープ型の車から手を振ってこたえた。


 ○…センバツ甲子園は3月14日に組み合わせ抽選会が行われ、同22日に常葉菊川の前田隆一主将が優勝旗を返還して13日間の熱戦の幕は開く。出場決定を伝えた静岡新聞紙面は、期待にあふれた見出しが躍った。「本命菊川」「監督『自信ある』」「投打に戦力充実」「安定感増す」-。テレビニュースの中で常葉菊川ナインに吉報を伝える吉村耕司校長は「君たちの目標は先輩を超えることだったね。まずはセンバツで優勝してください」と語り掛けていた。「先輩超え」とは松坂大輔投手を擁した横浜以来「20年ぶり」の春夏甲子園連覇であり、その大目標への挑戦権はPL学園(大阪)以来「26年ぶり」の春連覇で開ける。


 ○…昨年夏の県大会を制し、当時の相馬功亮主将「春夏連覇は僕たちにだけ許される。ぜひ成し遂げたい」と語った。選手本人の大きな夢としては納得もしたが、マスコミが軽々に「さあ春夏連覇だ」とはやし立てるのには首をかしげた。しかし、今は違う。春夏連覇にあと2勝まで迫り、新チームも明治神宮大会で全国の秋季王者を連破して頂点に立った。競り負けない強さは本物だ。昨秋の東海大会準決勝で常葉菊川に屈した兄弟校の常葉橘は選から漏れた。「21年ぶり」の県勢2校選出はならなかったが、浜松工以来「11年ぶり」の春連続甲子園、清水東以来「50年ぶり」の3季連続甲子園の常葉菊川から目が離せない。

(1/26 掛井 一也)

 

 「だんまく」とはスポーツ大会で目にする応援用「横断幕」の通称。時に温かい声援、時に檄文(げきぶん)の横断幕にならい、静岡県内スポーツ界の出来事を中心に、折に触れた話題を取り上げます。




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