○…サッカーJリーグが新シーズンに向けて始動した。当初の契約期間を満了し、新たに就任4年目を迎えた長谷川健太監督率いる清水エスパルス、昨季途中から内山監督が指揮を執り、昨季の雪辱に燃えるジュビロ磐田。鹿児島キャンプでの開幕準備が注目される県内2クラブのほか、浜松市出身でホンダFCで現役と監督を務めた安間貴義新監督率いるJ2ヴァンフォーレ甲府は静岡市清水区で第1次キャンプを終え、藤枝東高OBで磐田の監督も務めた前浜松大監督の桑原隆氏は、横浜マリノスの監督として既に宮崎キャンプをスタートさせた。
○…磐田には名波浩選手がセレッソ大阪と東京ヴェルディへの期限付き移籍から1年半ぶりに復帰し、日本代表MFの駒野友一選手がサンフレッチェ広島から移籍した。清水はOBで早大前監督の大榎克己氏がユース監督として5年ぶりで古巣に戻った一方、ユースからの生え抜きの杉山浩太、太田圭輔両選手は柏レイソルに移籍し、OBでユースGKコーチだった真田雅則氏はジェフ千葉のGKコーチに転身した。強化育成本部長を務めた久米一正氏は名古屋グランパス初のゼネラルマネジャーに就任し、清水の運営が新会社になって以来10年間、広報担当で活躍した西沢和剛氏は日本サッカー協会に転出した。それぞれの2008年シーズンが始まった。
○…海を挟んだ静岡県勢選手の“往来”もあった。ハンブルグとフランクフルトのドイツ1部リーグ2クラブで5シーズンを過ごした高原直泰選手(清水東高出)が国内復帰し、古巣の磐田ではなく、浦和レッズに入団した。高原選手と入れ替わるかのようにドイツ1部リーグには、高原選手と同級の小野伸二選手(清水商高出)が浦和からボーフムに移籍。5シーズンを過ごしたオランダ1部のフェイエノールト以来、2シーズンぶりの欧州復帰となった。痛めている左足の状態を考慮し、いったんは獲得見送りで帰国した末の入団だった。2年半の契約で臨んだ入団会見で発した「欧州に戻って来ることができたので、自分の名を多くの人に知ってもらいたい」の言葉は胸に響く。
○…欧州サッカーの08-09年シーズンは静岡県出身選手が3人に増えた。小野選手のほか、ジェフ千葉からスコットランド・プレミアリーグのセルティック入りした水野晃樹選手(清水商高出)と、浦和からドイツ1部のウォルフスブルクに移籍した長谷部誠選手(藤枝東高出)だ。水野選手は22歳、長谷部選手は24歳と若いが、水野選手は昨年、長谷部選手は一昨年の日本代表初選出以降、クラブと代表での活躍で一気に欧州移籍への道を切り開いた。
○…イタリア1部リーグ(セリエA)シエナとの獲得合戦の末にウォルフスブルク入りした長谷部選手、入団会見で、「自信がなければ来ない。レベルの高い所でプレーして成長したい」と話したと静岡新聞記事は伝えた。反町康治氏(清水東高出)が指揮を執り、北京五輪出場を決めたU-23(23歳以下)日本代表でもある水野選手は、06-07シーズンのスコットランドMVPを獲得した中村俊輔選手とチームメートとなる。3年半の長期契約を結んだ入団会見の言葉は「まずは1分でも試合に出られるよう、練習していきたい」だという。
○…大木武氏(清水東高出)がコーチに迎えられた岡田ジャパンは、2010年ワールドカップ(W杯)アフリカ大会を目指し、6月下旬までアジア3次予選を戦う。「欧州組」の響きにステータスも感じるが、はるか遠く異国のクラブで埋もれてしまっては、代表招集のチャンスすら逃すリスクも背負う。欧州主要リーグで日本人最多得点記録となる11ゴールを挙げた高原選手でさえ、6年ぶり国内復帰の決断の背景には、「W杯」「日本代表」への熱い思いもあったろう。小野選手の再挑戦、長谷部、水野両選手の初挑戦。キャリアアップの始動に注目だ。
(2/3 掛井 一也)
「だんまく」とはスポーツ大会で目にする応援用「横断幕」の通称。時に温かい声援、時に檄文(げきぶん)の横断幕にならい、静岡県内スポーツ界の出来事を中心に、折に触れた話題を取り上げます。