○…清水の「岡ちゃん」が代表監督の「岡ちゃん」に選ばれた-。ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第2戦のウズベキスタン戦(10月15日・埼玉スタジアム)に向けた日本代表26選手に清水エスパルスのFW岡崎慎司選手(22)が選出された。北京五輪のU-23(23歳以下)日本代表を経て、プロ4年目でうれしい初のフル代表入り。リーグ4戦連続ゴールも挙げ、堂々の代表FWの一角を占めた。クラブを通じた談話は「選出されて驚いている」。ファンにもおなじみのクシャクシャな笑顔が想像できる。
○…兵庫・滝川二高では3年連続で全国選手権に出場し、1、2年生ではベスト4も経験した。“健太エスパルス”の1期生は、昨季からレギュラー陣に仲間入り。U-23で臨んだ今年5月下旬のトゥーロン国際大会は、2戦目の地元フランス戦で足首のじん帯とひざの半月板を損傷。ベスト4に進出したチームにあって、全治4週間の診断で自称「応援団長」として過ごした。北京五輪を目前に控えたリハビリ明けで、静岡で知り合った女性との入籍を発表。多くの「岡ちゃん」ファンを驚かせもした。
○…北京五輪壮行試合のオーストラリア戦で後半途中出場し、終了間際の代表初ゴールが値千金の決勝点となった。泥臭くもゴールに飛び込むジュビロ磐田の中山雅史選手のプレースタイルを尊敬し、オーストラリア戦の得点は“売りのダイビングヘッド”だった。フル代表選出談話の「ピッチを走り回ってがむしゃらにプレーするなど、しっかりと自分のスタイルをアピールしたい」は若かりしころの“ゴン節”とも重なる。
○…期待された北京五輪は不発に終わり、チームも予選リーグ敗退した。「北京五輪を経験して、世界で戦うにはもっとやらなければと思っていた。メンバーに残れるように頑張りたい」。けん土重来に2年後のW杯南アフリカ大会という世界最高峰の舞台を見据える。北京組の岡崎選手、大分のDF森重真人選手をはじめ、今回のフル代表には4選手が初選出された。代表発表の席上、岡田武史監督は岡崎選手の豊富な運動量を選考理由の1つに挙げた。「テクニシャン」の多い若手選手にあって、労を惜しまない「馬力型」は愛すべき存在だ。
○…長谷川健太監督43歳の誕生日だった9月27日。練習後に選手、スタッフがお祝い会を開いた。盛り上げ役はもちろん岡崎選手。率先してバースデーソングを歌い、監督をネタにしたギャグも披露。全員の爆笑を誘ったという。静岡新聞のエスパルス担当記者は記者コラム「清流」(中部版)で、「果たしてプレーでこれほどに絶賛されたことがあったか?はともかく、ピッチ外でも岡崎選手から目が離せないのは確かだ」と愛情込めて記した。
○…プレースタイル同様に性格も愛すべき存在であり、ファンにとっても「隣の岡ちゃん」である。一昨年のリーグ戦出場は7試合にとどまったが、昨季は21試合に起用された。さらに今季は直近の第27節までで、リハビリと五輪の期間中を除くと、ベンチを温めたのは第4、7節だけ。既に昨季の5得点を上回る7得点も決めている。「頑張るだけじゃ世界とは戦えないと学んだ。もっと1つ1つのプレーにこだわらなければいけない」。北京で得た教訓を胸にウズベキスタン戦に臨む。
(9/30 掛井 一也)