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 中国・四川、学校倒壊

2008/05/16

   東海大地震の切迫が懸念される静岡県は、日本の地震対策の先鞭をつけた先進県ですが、重大な被害が予想される震災への備えに十分すぎるということはありません。発災がないのがむしろ幸運なのだというくらいの心構えを持続しなければなりません。対策に手を尽くしてきたという自負があるだけに、防災意識が風化するようなことがあるとすれば、危機は増幅するかもしれません。

   当サイトは、「東海地震は今」の特集の充実を図るなど、途切れない災害報道に取り組んでいます。従来は、災害発生後に被災状況などを伝える事後報道が大半でした。もちろんその重要性は不変ですが、甚大な被害が予想される地元のメディアとして、静岡新聞は一歩踏み込んで「減災報道」を展開してきた歴史があります。実際に大地震が起きる前に、関連の情報をきめ細かく伝え、とるべき対応を促してゆく。市民に日々、備えを進めてもらう狙いです。

   2001年2月には、減災報道の主軸をなす「週刊地震新聞」の紙上掲載がスタートしました。災害報道の一つのモデルとして長く続いた週刊地震新聞は、防災の専門家、研究者らからも高い評価を得ました。地震対策はしかし、理念を流布すればそれで足りるわけではありません。知識や経験が実践、つまり発災時に「命を守る」指針となって生かされなければ意味がないのです。地震新聞で取り上げた“備え”を実地に展開するシーンになったのが「親子防災スクール」です。

   いわば週刊地震新聞・地域実践編は、静岡県内の小学校を会場に豊富なメニューで繰り広げられました。「揺れ実験」で地震の原理を学び、煙のトンネルを実際に抜けてみたり、はしご車やロープ、救助マットを使って脱出し、消化器を操作し、簡易トイレを設置したりと、とにかく“実際”と向き合ったのです。父母の積極的な参加はもちろん、防災服姿の市長や教育長らが視察し、消防本部の職員は真剣に児童を指導してくれました。「地震と災害を考える大工の会」が家具転倒防止教室を開いてくれた地域、住宅耐震相談会が併催された地域もありました。

   学校が会場であることに第一の意義がありました。大災害が襲来する時、避難や情報収集の場となり、対策最前線となる可能性が高い公共施設は、何と言っても学校なのです。親は昼間なら、「子どもたちは学校にいるから心配ない」と気を鎮め、それ以外の時間帯でも「学校に行きさえすれば何とかなる」と頼るのです。中国・四川大地震では、がれきを前に立ち尽くし、号泣し呆然とする父や母が口にするのは、「どうして学校で」という、やり場のない怒りと絶望です。午後2時30分の揺れ、子どもたちは授業中だったのか。恐怖に脅え親の名を呼んだのか。抱き合ったまま遺体で見つかったという記事を読むと、人の子の親として胸ふさがれる思いです。やはり繰り返さざるを得ません。「どうして学校で」。

   惨状を伝える静岡新聞の同じ日付の紙面、「県施設、耐震化率83%」の見出しが目につきました。4月1日現在の県有公共建築物の耐震性能の調査結果です。813施設3056棟のうち東海地震に対する耐震性を有する建築物は2541棟で、耐震化率83.1%だといいます。耐震化が必要な515棟のうち災害時の拠点となる県の関連庁舎、学校、体育施設などは優先的に対策を施すそうです。「備えに終わりなし」をあらためて噛みしめます。救援金の受付が始まりました。被災した方々に、心からのお見舞いを申し上げます
                           (鮟鱇)



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