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2004年「Webコラム一灯」

 tsunami スマトラ沖からの恐怖

2004/12/28

  手元の小さな和英辞典で「つなみ」をひいてみました。「tsunami」「tidal wave」と出ています。tsunamiが国際語であることが分かります。国立国会図書館のページにアクセスして、アジア情報室のリンク集から「インド」「新聞」とたどり、「The Asian Age」「The Times of India」など数紙の記事を読みました。

 

 ∋ 「南アジアの海岸線を襲った壊滅的なtidal waveが24000人の生命を奪った」ニュースは当然のことながら大きく扱われています。目を引いたのは、記事冒頭、tsunamiについて「地震によって引き起こされる破壊的な潮流現象」という説明がついていることでした。「津波」が殊更の説明を要する自然現象であるとうかがわせるのです。「killer wave(殺人波)」という単語もありました。

 

 ∋ 「災」の年を象徴するかのような地球を震撼させる災厄です。「スマトラ沖地震」と命名されたマグニチュード9.0の巨大地震は、年の瀬、日曜でにぎわう観光地を中心にインド洋沿岸諸国に甚大な人的被害をもたらし、日本人の死亡も確認されました。多くのビデオカメラが「津波襲撃」の瞬間を生々しくとらえていました。繰り返しテレビ放映される被災映像で衝撃的なのは、波が目前に迫るまさにその時に、あるいは悠然と、あるいは戸惑いながらも依然として盛り上がった海の方向に目を向けている人たちが映っていることです。

 

  通信社の記事によると、第一波が引いた後、いったんは干上がった海岸に打ち上げられた魚を取りにいったという信じられない例がありました。どす黒い水の悪魔は、邪悪なエネルギーをむき出しにして次々と人々をのみ込んでいったのです。まったく無警戒なのです。そしてそれは、「津波」についての経験、事前の知識がないからのようです。当然です。海がそんな顔を持っていることを知らされてこなかったのです。

 

  地震国日本では、テレビの「--で地震」との速報に続いて、「この地震による津波の心配は--」といった内容の字幕が瞬時に流れます。十分周知するのかどうかは別にしても、経験に裏打ちされた広報という災害対策があります。今回は、津波の存在、脅威を知らない国々、人々が一瞬のうちに襲われたのです。タイ・プーケットの有名ホテルの従業員は、「地震対策なんて聞いたこともない」と語ったと報道されています。

 

  「情報」は、それ自体は無味乾燥な”価値”かも知れません。伝わることで、吟味され使われることで、意義を有してきます。「情け」のある「報せ」だと解釈した人がいました。「生命(情)を救う知識(報)」だともいえます。惨事を通して教訓をくみ取るというのは、実に痛ましい限りです。

(鮟鱇)




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