ShizuokaOnline
オリジナルコンテンツ

ShizuokaOnlineのオリジナル企画。デジ記者が旬な話題を動画を交えてレポートします。
「大人」の読者にじっくり味わってもらいたいニュースが満載。「寄稿・わが至福の時」も好評です。
静岡県内の大学の話題は「キャンパス・ナビ」でチェック!
県内トップアスリートに迫る動画インタビューをお届けします。
子育て世代の情報・交流の広場です。※アンケート実施中!ご協力ください。
最新情報やニュースをケータイサイトでもチェックできます。お得なグルメ情報も掲載!
志らべのいっピン!

ポッドキャスティング

47News
家康囲碁道場
静岡ぐるめ探検隊
ShizuokaOnline(静岡新聞社・静岡放送オフィシャルサイト) > Webコラム一灯 > 2005年「Webコラム一灯」

2005年「Webコラム一灯」

 単「純化」 戦無派の物思い(3)

2005/08/14

 ∋ 衆院解散をめぐる報道で、小泉純一郎首相の名前になぞらえてか、「純化」路線という言葉が使われていました。揺れる議員心理に切り込む姿勢が強烈でした。郵政民営化賛成か反対か、旗幟(きし)鮮明 にせよ、これは親小泉か反小泉の選択なのだ-と匕首(あいくち)を突きつけているのです。

 

  自らが属する党内の反対派を「抵抗勢力」と呼び、彼らが牛耳る自民党をぶっ壊すというのが、小泉氏の口ぐせです。何度も何度も聞かされているうちに、奇妙な善悪二分論が忍び込んできます。もやもやした気分に、「抵抗勢力唾棄(だき)すべし」「抵抗勢力は排除だ」という“正義”が巧みに訴求するのです。

 

  国会の場でもそうでした。追及にひるむどころか、郵政民営化は年来の持論だ、アメリカに言われて掲げたなどとはとんでもない言いがかりだ、そもそもこの政策をマニフェストして総裁選も国政選挙も戦ってきた、所信表明でも施政方針でも述べた、それをいまさらのごとくに反対したり法案の欠陥をあげつらうのは理に合わない、ましてやそれが身内の所業だとすると許せない-と反論します。ご説の通りです。

 

  キャッチフレーズとしての「郵政」は耳にたこができるくらい聞きました。中身は省略して「民営化」という短い言葉に集約されると、理解できた気にはなります。ただ、その歴史的意義について、唱道者から素人にも分かる説明をていねいにしてもらった、という充足感はありません。どのテーマでもそうでした。明快な「小泉語」が連発されます。なるほど、とうならせます。その後の手続きはいわゆる「丸投げ」で、御用学者や審議会の出番になります。

 

  成果を評価する声もよく耳にします。先日、「踊り場」脱却宣言があったように、景気は実際に上向き、株式市場は好調を回復しているようです。銀行の不良債権処理も、強権的なやり方に対する不満が関係者に残るものの、結果からして当初のもくろみに沿っているといいます。ぐずぐず言うな、それでいいじゃないか、となります。しかしもかかしもあるか、と叱られそうですが、それでも「しかし」との思いが残ります。

 

  「純化」によって選別されてゆく人々はどう受け止めているのでしょうか。小泉手法の良し悪しは別として、理解できないのは、名指しされた抵抗勢力なる集団がまるで無力化してゆくことです。それこそ抵抗らしい抵抗もできない。十分に理論武装していないのではないか、と疑います。

 

  コップの中のあらしでしょうか。”局地戦”のような応酬はるあのですが、論客による見ごたえある対決の場面がないと思います。政党政治が随分活気を喪失しているようです。戦後60年の節目に、議会人は還暦を迎えた政治のふさわしい姿を見せて欲しいのですが、さっぱりです。個別の課題の成否より、むしろそのことが物足りないのです。

(鮟鱇)




メール メールで記事を紹介 印刷 印刷する



[特集]


ここから関連ニュース・バックナンバー

バックナンバー

遺跡の声を聞く 2005/12/29  
ジャック・アンダーソンの死 2005/12/22  
日本のフェイルセーフ 2005/12/19  
桜吹雪は拝めたか 2005/12/15  
カナリアを追う 2005/12/12  
砂上の楼閣 2005/12/08  
町から子どもが消える? 2005/12/04  
国技の無国籍化 2005/11/30  
偽造の重罪 2005/11/24  
古書に浸る 2005/11/23  
書" 道" 2005/11/19  
とんぼの里 2005/11/12  
ハママツは世界ブランド 2005/11/08  
オリオンズよ 2005/11/03  
「簡潔明瞭」の陥穽 2005/10/28  
国をつくるということ 2005/10/21  
26番目の選手 2005/10/18  
4000年の歴史 2005/10/14  
がれきが語るもの 2005/10/12  
匠を見よ 2005/10/09  
”盟主”の責任 2005/10/06  
二足のわらじ 2005/10/02  
凛然たる女性たち 2005/09/29  
おだっくい超世代 2005/09/25  
阿波の傑物 2005/09/22  
読書民族の美学 2005/09/16  
「審判済んで夜が明けて」 2005/09/12  
シネマ&テアトル 2005/09/08  
「地気」と芸術 2005/09/04  
カトリーナの魔手 2005/09/03  
大学サバイバル 2005/08/29  
本のにおい 2005/08/25  
沈黙する知性 戦無派の物思い(7完) 2005/08/22  
言葉の漂流 戦無派の物思い(6) 2005/08/20  
「戦い取るもの」 2005/08/19  
痛みの先に 戦無派の物思い(5) 2005/08/16  
戦争の時効 戦無派の物思い(4) 2005/08/15  
コイズミが来た 戦無派の物思い(2) 2005/08/12  
戦後還暦解散 戦無派の物思い(1) 2005/08/11  
時代の気分は「情けない」 2005/08/07  
宇宙ラーメンを食べたい 2005/08/04  
都市難民 2005/07/31  
それでも天下りですか 2005/07/28  
野茂にノー・モアはない 不死鳥よ(下) 2005/07/26  
カズはピッチに 不死鳥よ(上) 2005/07/26  
ソフト・ターゲット 2005/07/22  
野球は文化か 2005/07/17  
ネポティズムという宿痾 2005/07/14  
情報源の秘匿 2005/07/12  
暴力の連鎖 2005/07/08  
オイルショック再び? 2005/07/06  
公団、天下り、談合 2005/07/02  
骨太と鉄面皮 2005/06/30  
”らしくない”人々 2005/06/25  
貪欲なるストライカー 2005/06/23  
「金時持ち」遥か 2005/06/19  
家族の絆 2005/06/16  
総中流の幻想 2005/06/12  
宮本という名作 ドイツ切符(下) 2005/06/10  
ジーコの意地 ドイツ切符(上) 2005/06/09  
”W杯”ゴール目前 2005/06/04  
綿々、技の伝承 2005/06/02  
蓮池薫さんのライフワーク 2005/05/29  
病診連携 2005/05/26  
破壊の行き着く先 2005/05/21  
戦争の下請け化 2005/05/19  
デビッド・リーンが描いたもの 2005/05/15  
情報過疎の戦場 2005/05/12  
徳富蘇峰と文学の森 2005/05/08  
力士・片山の夏 2005/05/05  
三島由紀夫の小遣い帳 2005/05/03  
田中一村 植物を描き尽くす 2005/05/01  
融和する美-花の不思議 2005/04/29  
男のスーツ 2005/04/27  
M&A劇場-額に汗する者は 2005/04/24  
M&A劇場-従業員さまいずこ 2005/04/22  
M&A劇場-団塊の観客たち 2005/04/20  
「舞姫をたどる」 2005/04/17  
異文化同化 2005/04/14  
“聖地” の憂鬱 2005/04/10  
フットボール 日独の紐帯 2005/04/07  
水の風景 2005/04/02  
内なる国際化 2005/03/31  
「方言万歳」 2005/03/26  
「万博 35年後」 2005/03/21  
「万博 35年前」 2005/03/20  
伝説の豪腕-持続する志 2005/03/17  
適材適所 2005/03/13  
球春来たる 2005/03/10  
スターの染み入る言葉 2005/03/06  
「父」の崩壊 2005/03/03  
大いなる二番手 2005/03/01  
黒はんぺん賛歌 2005/02/26  
「情」と「効率」 2005/02/23  
ベビー81 2005/02/19  
17歳の閉塞 2005/02/16  
信用無用 2005/02/12  
ヒーローは燃え尽きない 2005/02/10  
はとバスご一行様御成り 2005/02/06  
楽天的野球論 2005/02/02