∋ 敬老の日にちなんで、当サイトの人気コーナー「静岡どっちゴング」が、「あなたの感覚では『高齢者』は何歳から?」との質問を投げ掛けました。数字が意外に割れたのをみると、回答者の揺れる認識、心情を映しているのかも知れません。一般的に高齢化、あるいは高齢社会というのは、人口に占める65歳以上の比率を目安にしています。「どっちゴング」では、「70歳以上」が多数を占めたり「60歳以上」が首位の時間帯もありました。
∋ 人生の先輩から「シニア(年長者)と呼ばれるのはどうも…」という声をよく耳にします。あかさらまに老人扱いされるほど年をとっていない、という心理でしょうか。確かに80歳90歳でも健康を保持し、中には現役を続ける人たちもあるくらいです。先日の総務省統計によれば、9月15日現在の65歳以上の高齢者人口は2556万人で昨年より71万人増え、総人口に占める割合も初めて20%に達しました。5人に1人という計算です。そんな時代に、昔ながらの尺度が通用するはずもなく、「65歳洟(はな)垂れ小僧」説を唱える向きさえあるのです。
∋ 17、18両日、静岡市内の繁華街で繰り広げられた「静岡おだっくい祭り」を見物しました。実は、小欄には思い入れがあります。昨年7月に静岡県中部地方の方言である「おだっくい=愛すべきお調子者」と、それに由来する地域発信のこの祭りを取り上げました。それが、今年の公式ガイドブックの「What’s おだっくい」の項で紹介されています。
∋ 県内外65の参加チームが思い思いの衣装で踊りに興ずる繁華街の一角を巡ってみました。地域色豊かな法被姿が行き交うせいか、街が明るくなった気がしました。さまざまな世代が混然一体となったチームは殊に盛り上がっているようでした。外見から高齢とおぼしき女性らの動きの軽快さに舌を巻きました。マイクを握って仲間を紹介し鼓舞する人も、楽曲に合わせて乱舞するメンバーも、屈託なく威勢いいのです。3回目ですっかり“場慣れ” した様子のチームも目につきました。
∋ 大道芸のメッカとなった静岡市でのこうした催事は、観衆と目線が同じ“場”“空間”で演じられるため、親しみやすいのが特徴でしょう。踊りの列を取り囲む人々の間から「サイコー」などと歓声が飛びます。踊り手が知人を見つけてエールを返すといった光
景を何度も見ました。
∋ 全国各地で中心商店街が苦しんでいます。市街の空洞化でシャッター通りが現出しています。「ハレ」の場所が寂れてゆくのを見るのはつらいものです。おだっくい祭りは、地域や世代を超えてコミュニティーづくりを目指し街に賑わいを創出することを狙っています。「地」に根ざす文化こそ、人々の求心力になるのでしょう。踊りの動きはぎこちなくても、素人っぽい衣装や小道具でもそこは愛嬌、高齢者の元気は街に活気をもたらしします。若者も、つい乗せられます。おだっくいに年の差なんて。
(鮟鱇)