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2005年「Webコラム一灯」

 カナリアを追う

2005/12/12

  2002年の日韓共催サッカーワールドカップ大会を思い起こします。サッカー王国を標榜(ひょうぼう)する静岡県では、ブラジル-イングランドの黄金カードがエコパスタジアムで実現したため、いやがうえにも熱気が高まりました。”現地”入りできない友人らの恨み節を聞き流して巨大なスタジアムに陣取り、ベッカムの、ロナウドのプレーを堪能したものでした。得点シーンでは、会場を埋め尽くした5万近い人々の歓声が、地響きのようでした。

 

  日本サッカーとブラジルとは、不思議な縁があります。96年のアトランタ五輪は偉大な伝説を生みました。23歳以下代表が初戦で対戦、おおかたの予想を覆して見事に破ったのです。サッカー史に残る快挙は、「マイアミの奇跡」と語り継がれています。

 

  静岡市出身の三浦知良選手は、ブラジルで実績を積んで、まだ夢でしかなかったワールドカップを目指すサッカー日本の礎を築きました。カナリア軍団と呼ばれるブラジル代表のユニフォームに憧れ、青春の時を燃焼させる若者は絶えません。チームは歴代、多くのスター選手を擁し、W杯に5度優勝、文字通り世界の王者として君臨しています。

 

 ∋ 日本代表は、ブラジル相手に勝利を挙げたことはありませんが、あわや、という場面はありました。この6月に行われたコンフェデレーションズカップでの、2-2の引き分け試合です。王者をあと一歩のところまで追い詰めたのでした。仮に勝っていれば、間違いなく「ケルンの奇跡」として世界のファンの記憶に刻まれたはずです。

 

  いよいよ来年6月に迫ったW杯ドイツ大会の1次リーグ組み合わせ抽選会が先日行われ、日本はブラジルと同じF組に入ったのです。故国との対戦についてジーコ監督は、入りたくないグループではなかった、と含蓄ある表現をしていました。本当に因縁めいたものを感じますが、ブラジルとの試合を意義深いものにするためにも、同組のオーストラリア、クロアチアを破らなければなりません。

 

 ∋ 2位での1次通過を前提にしたような評論が飛び交っていますが、それほど平坦な道ではないはずです。オーストラリアは身体能力の高さで定評あり、クロアチアは欧州のよく知られた強豪です。前回日韓大会は確かにトーナメント進出を果たしましたが、開催国として恵まれた諸条件がありました。すべては、とにかく初戦の豪州戦に勝ってからのことです。

 

 ∋ 抽選役で会場のライプチヒを沸かせたジュビロ磐田の中山雅史選手は、臆してはだめ、どんな相手でも倒すという気持ちでピッチに立つべきだ、とアドバイスしていました。その通りです。史上最強と称される現ブラジル代表と世界の舞台で対戦できるのは、選手冥利に尽きるということでしょう。ちょうど半年後の6.12が楽しみです。

(鮟鱇)




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