∋ 当サイトの人気メニュー「デジ記者Webレポート」が年末恒例の回顧企画「静岡この一年 2006下半期」で富士山の世界遺産登録を目指す「富士山基金」創設を取り上げています。その記念行事に、地元に縁の深い企業に所属するスピードスケートの岡崎朋美選手が出席し、おなじみの「朋美スマイル」をみせています。激闘を重ねてきた過酷なスポーツ種目の選手のあのゆとりには、いつも心洗われます。
∋ スピードスケートの全日本スプリント女子総合で岡崎選手が優勝を飾りました。9年ぶりの快挙だそうです。表彰式では、橋本聖子連盟会長がわざわざ年齢に言及したと、サイド記事が伝えています。出場選手中最年長の35歳、確かに価値ある栄冠です。
∋ 年齢はハンディになるのでしょうか。経験、キャリアは選手の視野を広げます。状況を読み、戦略を組み立て、気持ちを高め、あるいはリラックスして修羅場に臨む。ベテランにはベテランらしい計算ができます。若手の有望株が、五輪などの大舞台でプレッシャーに押しつぶされ日ごろの実力を発揮できずに敗退する例を何度も見てきました。体力の後退を補う「何か」を熟達者は持っているのです。
∋ 岡崎選手は、年齢がひと回りも違う選手たちを相手に、「全然練習していない」と言いつつ周到に勝つのです。人知れず鍛錬を重ね、本番では挫折もあり苦悶もあったのでしょうが、冗談めかして「若者には負けない」とさりげないのです。何年も体を痛めつけてきた練習の蓄積の重さを感じさせます。
∋ 同じ静岡新聞の紙面。全日本スケルトンで、トリノ五輪代表の越和宏選手が、42歳で2年ぶり6度目の優勝を果たした記事が載っています。このスポーツの日本でのパイオニアで、飽くことなき挑戦者です。彼を取材する中で、自らスケルトンにのめり込み、五輪代表にまで登りつめた地方紙の女性記者がいます。彼女は、越選手のアスリートとしてのひたむきな姿に魅せられ教えられたのでした。
∋ オフシーズンとなる種目が多いこの時期には、契約更改や移籍、引退など進退をめぐるニュースがにぎやかです。限界説をはねのけ、新たな挑戦をする選手の話題には関心がゆきます。年齢は否定的な要素として紹介されがちですが、経験というものがもたらす効能を考えれば、ベテランの存在は逆に輝いてみえます。人馬一体ではありませんが、引退レースで最高の走りを見せたディープインパクトの強さは、実にシンボリックではありませんか。
(鮟鱇)