∋ 全国各地からメンバーが集う会合は、名産・特産、グルメに温泉の観光などお国自慢に盛り上がります。暑さ寒さの気象に加え、災害体験を紹介し合って減災のノウハウを共有することもあります。静岡県への期待といえば、東海地震説このかた、巨大地震に備える手はずです。一方、九州地区からの話題の中心を占めるのは、何といっても台風です。度重なる襲来に苦しんできた歴史があります。台風銀座に居住する苦労苦難がしのばれます。
∋ 列島の中央から入り込み北に向かって貫いてゆく経路となった台風9号には、緊張を強いられました。洋上で発生した、西進している、といった情報には正直、大した関心も払いませんでした。それが突如、直角ではないかと思うくらい進路を北に変え、「関東・東海直撃の可能性」となったのでした。静岡県をうかがう情勢となった前日夕、警戒を怠らないようにしようなどと話していたのが、一夜明けると、「直撃必至」。
∋ 台風について報ずる官公庁の気象関連サイトなどをのぞいていました。不安が一気に増幅したのは、夜になってもたらされた「(清水町内で)狩野川が相当に増水している」という情報でした。国交省サイトでは、10分毎「リアルタイム雨量」がグラフ化されていました。さらに情報が急を告げます。5段階のはんらん警戒水位の最悪から2番目の「レベル4」……。もし狩野川の堤防が決壊でもすれば、と胸が締め付けられます。
∋ 幼い日に体験した「狩野川台風」の記憶は、一種のトラウマになっています。静岡新聞社刊「しずおか辞典 発見伝」の記述によると、1958年9月26、27日に伊豆半島を襲った台風22号は、局地的な大雨により静岡県内に死者・行方不明者1040人もの災禍をもたらしました。
∋ こんな被害の再現があってはならない。金属音ではないかと思えるような鋭い風のうなりを耳に、台風9号接近に脅えました。サイトでは夜から早朝にかけて警戒し、交通機関への影響などをフォローしました。すさまじい暴風雨による人的被害が入電してきます。真夜中の闇の中で被害が生まれている。まんじりともせずに明けるのを待つ。あの「狩野川」と同じです。静岡新聞夕刊には、水につかった伊豆の国市や沼津市の写真が掲載されています。異常気象が指摘されます。そして台風シーズン。洪水への恐怖心がこびりついた体験から、地震対策はもちろん、台風への備えもおろそかにできないと考えます。災害に強い都市づくりは、気の抜けない大仕事です。
∋ 被災者の方々に、心からの見舞いを申し上げます。
(鮟鱇)