∋ パソコンの画面に向かっていました。二日酔いでもないのに、自律神経がどうにかなってしまったような状態になりました。確かに、免震建物が揺れているのです。土曜の朝、オフィスに伝わる震度速報から岩手・宮城内陸地震の重苦しい時間が始まったのでした。震源に近い地方での「6強」。リアルタイムのテレビ映像は、不安を現実にしてゆきました。
∋ 山体の崩壊と呼ぶしかありません。斜面全体がすっぽりと欠落しています。大量の土砂で川が堰き止められています。温泉宿が流されました。林道のなぎ倒された樹間に、バスの車体が傾いています。国道のアスファルトは階段のように波打ち、崩落した橋げたが宙をさまよっているようです。山間に営々と築いてきた暮らしは、一瞬のうちに奪われました。牙をむいた自然は、残虐です。
∋ 上空の俯瞰取材は、被害を次々とさらしてゆきます。惨状に驚愕する記者のリポートは、うわずっています。ヘリからのズームイン映像は雄弁で、事態を掌握するのに欠かせません。それは、地上で生死の境に立たされ脅える人々の恐怖と苦悩を包含しているのです。道路が寸断され、集落は孤立し、空からの救助活動に頼ります。一刻も早く、と願うばかりでした。
∋ マグニチュード8級が予想される東海大地震の切迫がいわれます。災害の中でも、地震にはどうしても神経質にならざるを得ません。発災後1カ月余、中国・四川の大地震の復興は緒についたばかりです。静岡県民から寄せられた救援金が日赤に託されました。追いかけるように、岩手・宮城内陸地震。地球規模で頻繁な天変地異です。大地のメッセージは殊に深刻です。被災者に思いをいたすとともに、備えの教訓を読み取るしかありません。
∋ 発災の日、新聞制作部門の作業状況を見守りました。殺気立つフロアに、高校生の姿がありました。新聞づくりの知識を学ぶため受講中に、岩手・宮城内陸地震の報道現場に遭遇したのでしょう。友に、家族に、この経験を伝えてくれたはずです。
当サイトでも案内しているように、新たに寄金の受付が始まりました。被災地に励ましを送りたいと思います。
(鮟鱇)