
例年になく厳しかった冬もようやく終わり、桜の季節が巡ってきました。静岡県内の「桜の名所」を、写真と動画を中心にシリーズで紹介します。清楚で、かれんな花。見ごろが短いはかなさ。日本人の心をとらえて離さない花の魅力をあらためて感じてください。
島田市・慶寿寺のシダレザクラ(3月19日撮影)
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島田市郊外の慶寿寺では、県指定文化財(天然記念物)のシダレザクラが3月19日の取材時点で既に“満開”でした。境内に墓が残る今川範氏(1316-1365年)が、父親の今川範国(駿河今川氏初代当主)の遺徳をしのんで植えたと伝えられ、「孝養桜」とも呼ばれています。一般的なソメイヨシノに比べ、例年、1週間から10日程度も早く開花することでも知られます。
範氏の手になる木は既になく、現在の木は2代目。それでも推定樹齢は約350年に達します。高さ10メートル弱、左右に広がる枝張りの幅は20メートル近くに及び、茶畑が広がる本堂の裏手で、堂々たる威容を誇ります。
寺の参道入り口には、約20年前に2代目を接木した3代目の姿も見られます。正面の急な石段を避け、そのまま3代目のわきの坂を上っていくと、沿道にはソメイヨシノがつぼみを膨らませていました(上の右下の写真)。こちらはまだ花が始まったばかり。しばらく楽しめそうです。

車・・・国道1号藤枝バイパス野田インターチェンジを降り、北へ道なりに約5分。
公共交通機関・・・JR島田駅からコミュニティバス天徳寺行き「慶寿寺入口」下車、徒歩約1分。しずてつジャストラインバス「市民病院」下車、徒歩約15分。

茶畑をわたる風に枝がそよぎ、花がゆらゆらと揺れるシダレザクラを見ていると、理屈抜きに心が癒され、のどかな気持ちになります。境内には本堂を挟んで表側に、立派なモクレンの木もあり、白い花が既に終盤を迎えていました。今年の厳しい冬を映してでしょうか、わずかながらツバキの花もまだ残っていました。