
静岡市が、市立図書館に「指定管理者制度」導入の方針を示している問題について前々回お伝えしました。市の図書館事業に関しての諮問機関である「図書館協議会」定例会が5月19日に開かれ、制度導入についてあらためて意見が交わされました。委員からは「もう少し議論が必要だ」という慎重論や、「導入ありきで話を進めている」などと市側の対応に反発する声が上がりました。市が示している平成19年度からの「試行導入」も含め、導入すべきかについて決をとったところ、出席委員全員一致で「反対」という結果になりました。協議会は当日欠席した委員の意見も含め、あらためて全委員の意見を集約し、次回定例会で「答申」する方針を決めました。
導入めぐり協議会紛糾
定例会には、学識経験者や社会教育関係者などの委員10人と、市側から辻和夫教育次長や市立中央図書館の田中劯館長ら15人が出席しました。まず、協議会からの求めに応じ、市がいったんは実施を表明した図書館職員への「アンケート調査」を一転、中止する意向を示したことについて、委員から「協議会の席で決めたことを一方的にやめるのは、協議会を軽視している」などと批判する声が相次ぎました。市立西奈図書館への試行導入に際し、「2年間で約3000万円の経費削減が期待できる」との市の試算についても、明確な根拠は示されず、委員の納得を得ることができませんでした。
「図書館が重大な局面に立っているというのに、市は明確なビジョンもないまま制度導入ありきで話を推し進めようとしている」などと、市に対して不信感をあらわにした委員もいました。
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「サービスは低下させない」
静岡市は平成15年9月の指定管理者制度導入以来、公共施設の民間委託を進め、今後も積極的な導入を図っていく方針を示しています。図書館についても、昨年1月に文部科学省から「委託可能」の見解が示されたのを受け、検討を進めてきました。市は導入の主な目的に、「経費削減」「サービスの向上」を挙げています。計画では平成19年度から2年間、西奈図書館で試行した後、藁科、長田、北部、清水興津の5館に導入。中央、御幸町、南部、清水中央の4館は直営のままとする方針です。市内の図書館を統括する中央図書館の田中劯館長は「選書は直営館がして、それ以外は指定管理者にやっていただく。民間のノウハウを活用し、良いアイディアを出してもらうことでサービスの質は下げない」と話しています。
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「図書館は“知”の公共機関」
協議会の平野雅彦会長は、「“試行”ありきで話を進めている」と市の対応を批判しています。今の図書館の姿を「行政や市民が一緒になって作り上げてきたものであり、自由に情報が取得でき、蓄積していく場」、いわゆる「“知”の公共機関」だと指摘します。19日は欠席した委員や途中退席した委員も含め、5月下旬にも全委員の意見をまとめて、来月の定例会で市側に答申する意向を示しています。
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定例会では、協議会の結論を「答申」とするかどうかの形式に市がこだわる場面もありました。市の計画通りに制度を導入するとなると、条例改正の必要があり、タイムリミットは今年9月の市議会定例会となります。来月にも出される協議会の答申を、市は教育委員会に諮る意向です。市の図書館はどうあるべきか。議論の場は今後、教育委員会や市議会に移っていきます。