
駐車違反の取り締まり強化を柱にした改正道路交通法が6月1日から施行されます。中でも大きな目玉とされているのが「民間による駐車違反の取り締まり」です。これまで取り締まりにあたっていた警察官や交通巡視員に加え、民間の「駐車監視員」を導入することで、渋滞や事故につながる違法駐車を一掃するのが目的です。
県内では、違法駐車が横行している静岡市内の繁華街を中心に監視員が活動することになっています。県警によると、平成17年度の県内での駐車違反取り締まり件数は2万7199件。近年は、統計上は年々減少しています(下表参照)。ただ、これは、厳しい治安情勢の下で警察官が他に対応しなければならない事案が増加し、取り締まりに人員を割きにくくなくなってきたことも理由と考えられています。決して「実態としての違法駐車」が少なくなったとは言えないということです。
「民間による取り締まり」導入が、狙い通り違法駐車の一掃につながるのでしょうか。街の声を含め、取材しました。
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県内の駐車違反取り締まり件数
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○放置車両の使用者責任の拡充 これまでの駐車違反の摘発はドライバーの特定に手間がかかり、違反の確認標章を取り付けられても出頭しない“逃げ得”も見られた。改正では運転者が反則金を払わない場合には、車の所有者に「放置義務金」の納付が命じられるようになる。 |
○取り締まり業務の民間委託 違法駐車の取り締まりに投入できる警察の人員には限りがある。違反車両の確認と標章の取り付けを、従来通り警察官や交通巡視員が行うほか、新たに民間にも委託できるようになる。 |
○その他 短時間の違法駐車や二輪車に対する取り締まりも強化される。 |
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取り締まり要望に応えて
今回の道交法改正に伴い、県警が当面、民間の駐車監視員の「活動重点地域」としたのは静岡市葵区の呉服町や両替町、七間町周辺の繁華街です(下図参照)。同地域を管轄している静岡中央署によると、管内の違法駐車取り締まり件数の4割強がこのエリア内に集中しています。県民からの取り締まり要望も、同地域に対する要望が2割を占めます。
県警は「“体感治安”が悪化している中、“警察にしかできなかった仕事”に民間を投入できるとともに、取り締まりの徹底・強化で取り締まられる側の不公平感の解消にもつながる」と、今回の「大改革」に期待を示します。不安視されている警察と民間監視員の間の違反の判断の差や、民間監視員とドライバーとのトラブルについては、マニュアル通りの対応を民間監視員に徹底し、緊急時には警察官が応援に駆けつけるなど「態勢は整えてある」と自信を見せます。
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「監視活動で危険性訴えたい」
実際に駐車監視員となるのは、県警から委託を受けた島田市の警備会社社員で、2人1組で1日8時間、静岡市内の繁華街を巡回し、違反車両の確認や確認標章の取り付けにあたります。9-18時、12-21時というように、巡回時間は5パターンに分かれ、昼夜問わず取り締まります。
改正法施行を間近に控えた5月下旬、29歳から63歳までの11人が初の実技研修に臨みました。研修は実際と同様、2人1組で交差点付近などの駐車禁止区域で放置車両を確認したとの想定で行われました。監視員はナンバーや放置状態などを携帯端末で記録した後、違反を示すステッカーを車のフロントガラスにはり付けました。1人が作業中、もう1人は通行車両など周囲の安全を確認し、2人が声を掛け合いながら取り締まりにあたりました。
研修に参加した男性(30)は、「違法駐車が事故につながりかねないことを自分の活動を通して訴えていきたい」と意欲を見せていました。
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警察は改正法の適切な運用をうたいますが、「監視員と警察官の判断に本当に差がないのか」「荷さばき車両の搬出入を取り締まることで経済活動に支障は出ないか」などの疑問がささやかれているのも現実です。新たに取り締まりの対象となる「短時間」の駐車をめぐっても、何分間、車から離れたら違反になるのかといった明確な基準が示されないままなので、トラブルが懸念されています。とは言え、駐車違反車両の一掃は多くの県民の願いです。改正を機に、駐車違反に対するドライバーの「意識改革」が促されることを期待したいと思います。
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