
5月27日、インドネシアのジャワ島を襲ったM6.2の地震は、死者数が5000人を超える大惨事となりました。発生が午前6時前(現地時間)だったこともあり、死者のほとんどは倒壊した家屋の下敷きとなったことが原因と言われています。全半壊した家屋数は約22万棟に上っています。最も被害が大きかったジャワ島中部南岸に位置するジョクジャカルタ州(人口約50万人)に、富士常葉大(富士市大渕)環境防災学部の小村隆史助教授と高島正典助教授の2人が入り、6月1日から5日までの5日間、建物や町の被害状況などの調査を行ってきました。被災地の現状や調査から見えてきた課題、また東海地震が予想される本県への教訓などを小村助教授に聞きました。
農村型の地震災害
ジョクジャカルタ州の農村部にあるバントゥル県は、震源に最も近かったこともあり、被害が甚大でした。小村助教授は「今回の地震の特徴は“農村型の地震災害”。都市部も被害は受けていたが、都市機能は失われていなかった。一方、水田地帯の中に村が点在するバントゥル県は、全体の9割の家屋が倒壊していた」と被災地の惨状を語っています。ほとんどが品質の劣るレンガ造りによる簡易な建物で、死者の大半が倒壊家屋の下敷きとなったということです。
ボロブドゥール寺院遺跡群、プランバナン寺院群の2つの世界文化遺産をもつジョクジャカルタは著名な観光地。9割の人たちが「観光」で生計を立てています。小村助教授は「心配なのが、風評被害。無被害だったボロブドゥールなど、地震の影響を受けなかった所もある。観光客が激減すれば、地震の被害以上のダメージが彼らを襲う」と話し、現地に観光に行くことが「復興支援」につながると強調します。
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静岡県への教訓は
東海地震の切迫性が強まる本県へのメッセージとして、小村助教授は2つの点を挙げています。「どうやって生き残るか。建物の倒壊による圧死は静岡県でも考えられる」と、建物の耐震化の重要性をあらためて強調します。そして「生き残った後、どういう形で生計手段を立てるか。BCP(企業の業務継続計画)を見直すなど、今のうちからできることに取り組む必要がある」と、産業基盤維持への対策づくりを訴えています。
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静岡県は、地震に強い家づくりを目指すプロジェクト「TOUKAI(東海・倒壊)-0(ゼロ)」を進めています。そのうち、主要施策である専門家による耐震診断では、約43000棟(平成17年12月時点)の個人住宅が診断を受けています。しかし、耐震補強工事は診断軒数の約1割にとどまっているのが現状です。建て替え・改修にかかる費用や面倒さが二の足を踏む要因とみられますが、東海地震の被害の甚大性・切迫性を十分に認識し、早急に策を講じることが被害の軽減、そして被災後の復興への第1歩なのです。