
駿東郡小山町の富士スピードウェイに、30年ぶりとなる自動車レースF1日本グランプリ(GP)がやって来ます。
前回大会は、1977年(昭和52年)のこと。読売巨人軍の王貞治選手が756号ホームランを打って「世界のホームラン王」となり、自転車競技では中野浩一選手が、日本人として初めて世界選手権で優勝するなど、日本のスポーツ界が世界から注目された年でもありました。あれから四半世紀余り、再び静岡県内で繰り広げられる世界最高峰のモーターレース「2007年F1日本GP」まで、カウントダウンに入りました。大会を間近に控えた地元の様子などを取材しました。

9月28日に小山町の富士スピードウェイで開幕する「2007年F1日本GP」。
世界を転戦する今季のF1GP(全17戦)の第15戦となります。日本のファンにもおなじみの佐藤琢磨らがハンドルを握る「SUPER AGURI F1チーム」(代表・鈴木亜久里、本拠地・英国)など11チームが参戦しています。
世界に誇る霊峰・富士の裾野に広がる富士スピードウェイで30年ぶりに開催されるF1とあって、モーターレースファンの期待を集め、地元自治体なども期間中延べ28万人と見込まれる来場者に「満足してもらえる大会になれば」と歓迎の準備を進めています。
会場の富士スピードウェイは、1966年にオープンし、数々のモータースポーツの舞台として名を残してきました。1976、77年には、日本初のF1世界選手権が開催されるなど、輝かしい歴史のあるコースです。近年、F1日本GPの舞台の座を鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)に明け渡していましたが、全面リニューアルを経て2005年4月、世界屈指の安全性を誇るコースとして生まれ変わりました。(コース改修の概要についてはこちらをご覧下さい)
テクニカルな複合コーナーをはじめ、新しくなったレーシングコースなどの施設は、国際規格の最高位「グレード1」を獲得し、再び、F1の開催が可能になったのです。今大会は、リニューアル後、最初のF1日本GPです。

開幕10日前の18日に、駿東郡小山町役場などで開催を盛り上げようというイベントが開かれました。地元の行政や商工会関係者で作る「小山町F1日本GP協力会」が開いたイベントでは、会長を務める高橋宏小山町長が「協力して小山町でのF1開催を成功に導きましょう」と挨拶しました。続いて小山幼稚園の園児28人や町のマスコットの金太郎も加わって、地元開催をPRするのぼり旗を庁舎前に掲げました。併せて、会場の富士スピードウェイに最寄りのJR駿河小山駅前などにも、来場者を歓迎するのぼり旗100本を設置しました。
平日でも昼時となると大型トラックや県外ナンバーの車で賑わいをみせる国道246号沿いの道の駅「ふじおやま」(小山町用沢)には、開幕100日前の6月20日にカウントダウンボードが設置され、F1開催を多くの利用者にアピールしています。大会期間中(9月28日~30日)は、24時間営業(30日は22時まで)にし、来場者の利便を図ることにしています。

大会期間中、会場の富士スピードウェイは一般観戦者のマイカー乗り入れを禁止します。このため、指定駐車場にマイカーを止め、シャトルバスを利用する「パーク&ライド」システムか、JRなど鉄道とシャトルバスを利用する「チケット&ライド」システム、またはツアーバスでしか会場に入れません。3日間で延べ28万人の来場者が予想されている今大会は、会場周辺の混雑を抑えようという理由から、アクセス方法が限定されたのです。地元だから徒歩や自転車で会場へ、ということも出来ません。
30年前の前回大会は、観戦者の輸送手段がなく、会場周辺は大混雑したといいます。数年前から輸送計画を立て、混雑対策を練ってきた今大会は、隣接する山梨・神奈川両県を含む会場周辺の市町村の計20カ所に計25000台を収容する駐車場が用意される予定です。シャトルバスのみの入場は、混雑対策には効果が期待される一方で、地元への経済効果に対して厳しい見方をする人も見られました。

関谷正徳(せきや・まさのり)さん
自動車耐久レース「ル・マン」24時間レースで、日本人初の総合優勝の経歴をもつ。
1971年、富士スピードウェイでレーシングカードライバーとしてデビュー。思い出の地で30年ぶりとなる「F1日本GP」開催を心待ちにしている。
1949年、榛原郡川根町生まれ、常葉橘高卒。御殿場市在住。現在は、チームトムス監督、フォーミュラ・トヨタ・レーシング・スクール校長などを務める。

関谷さんは、F1の魅力について「地上で考えられる最も速い車、高性能でカーブを最も速く曲がれる最強の車が競うレース。(出場する22台合わせて)17000馬力の迫力を肌で感じてもらえたら」と話します。「F1の見どころ」や「今大会への期待」も聞きました。
関谷さんが語る「F1の魅力」は・・・
関谷さんが「大会に期待すること」とは・・・
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インタビュー中に見られた関谷さんの鋭い眼差しから、コースの状況を正確に読み取ってきたプロレーシングドラーバーの経験がうかがえました。
インタビューで出た、「レース中のドライバーの心拍数が180」という話には、正直、驚きました。180は、非常に激しい運動をした際の心拍数に当たります。極度の緊張感の中で、正確な状況判断をするドライバーのすごさを実感させる話でした。
サッカーW杯と肩を並べる世界的なスポーツのビッグイベント「F1」の地元開幕は、もう間近です。09年以降は、鈴鹿との隔年開催となる大会ですが、延べ28万人もの観衆が国内外から訪れ、関係者約2500人が地元に宿泊する国際的な大会を、地元の人たちが「町発展のチャンス」ととらえ、誇れるイベントに出来れば、地域の国際化も進んでいくのではないでしょうか。(デジタル編集部 吉本寿)
※特集「F1日本GPin富士スピードウェイ」>>>