
♪明かりをつけましょうぼんぼりに、お花をあげましょう桃の花・・・桃の節句を控え、静岡県内各地で見られるようになった「雛のつるし飾り」。
発祥は賀茂郡東伊豆町で、女の子の健やかな成長を願う桃の節句の風習として、江戸時代から伝えられているそうです。38種類もの手
作りの飾りをひもにつるし、桃の節句をいっそう華やかに彩ります。「雛のつるし飾りまつり」を開催中の同町稲取地区を取材しました。

東伊豆町稲取地区では一般のお宅のほか、「雛のつるし飾り」の桃色のぼり旗が出ている旅館や商店でも、手作りのつるし飾りが見られ
ます。中心街にある文化公園「雛の館」や地区北東部の雛の館「むかい庵」などでは、古くから伝わる段飾りとともに多くの作品が展示され
ています。いずれの会場でも、地元の中高年の方々が手作業で作ったつるし飾りが、来場者の目を楽しませています。

「雛のつるし飾り」は、今から約400年前の江戸時代から東伊豆町稲取地区に伝わる風習です。代々、飾りの作り方が口伝されてきました。もちろん今風のマニュアルなどありません。布地の選び方
から、細かな縫い方まで、親から子へ、子から孫へと受け継がれてきたのです。
今では東伊豆町に限らず、県内はもとより日本全国で見られるようになってきました。サクラエビ漁
で有名な由比町では、サクラエビの豊漁を祈念したサクラエビの飾りが作られています。このほか韮山、
伊豆長岡、大仁などの伊豆地区でも見られます。当地を訪れた観光客が、地元の人から作り方を
教わって、北海道や九州・沖縄で作り方を伝えているそうです。
稲取地区の伝統的な飾りは、「猿」「俵ねずみ」「三角」「座布団」「柿」「ほおずき」など、それぞれ
にいわれがある38種類。「稲取には、ひと足早い春があります」と話す稲取温泉旅館協同組合の村木友香さんが、つるし飾りの由来などを
話してくれました。
★会場マップは >>> 稲取温泉旅館協同組合のページ

★東伊豆町稲取の「雛のつるし飾り」は、モチーフがいっぱいです!
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もも
邪気や悪霊を退治し、延命長寿をも意味する。桃の実が女性を象徴し、女の子の厄払いとも言われる
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猿
難が「去る」の語呂から |
三角(さんかく)
香袋(お香)は、貴重品でした。気をしずめる香は、薬代わりでもあり、その包みがモチーフになっている |
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柿
栄養価が高く、柿が赤くなれば、医者が青くなるとも言われるほど滋養がある柿は「長寿の木」、厄払い効果もあるという。 |
ほおずき
女性のお守りとされる |
俵ねずみ
大黒さんのお使いネズミは、金運・霊力があると言われる。ネズミのように多産で、こまめな働き者になるようにと。俵は、五穀豊穣の意 |
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巾着
お金がたまるように、お金に困らぬように |
三番叟(さんばそう)
祝い事につきもの、稲取の子ども三番叟 |
キンメダイ
稲取名産の縁起物。おめでたには欠かせない。赤い色は魔除けの色
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東伊豆町内では8カ所で、「つるし飾り製作体験教室」が開かれています。7年ほど前から教室を開いている「絹の会」(森幸枝代表)の製作体験教室にお邪魔してみました。「昔からつるし飾りに興味があった」という森さんは、15年ほど前に地元の婦人会の手芸教室で作り始め、とりこになったといいます。「わが娘が健やかに育ってほしいという親の願いが込められた飾りなんですよ。多くの人に知ってほしい」と話してくれました。「絹の会」では、地元の婦人会の人など約20人が、1年を通してつるし飾りを製作しています。希望者は製作体験(有料)も出来ます。県内外から多くの観光客が訪れる教室はリピーターも多いといいます。

★雛のつるし飾り製作体験教室「絹の会」(午前9時~午後6時、火曜日定休)
所在地 賀茂郡東伊豆町稲取429
体験料 1000円~。材料費(800円~)は別。
問い合わせ<電 0557(95)0722>

東伊豆町稲取地区の至る所で「つるし飾り」を見られる「雛のつるし飾りまつり」は3月31日まで。
★東伊豆町稲取温泉「雛のつるし飾りまつり」詳しくは >>> アットエス「イベント情報」
★稲取地区へのアクセス
鉄道 … JR熱海駅から、伊東線・伊豆急行
車 … 熱海から国道135号で約40キロ
… 沼津から国道414号などを利用して約50キロ
… 東京からは直行バスがまつり開催期間中は運行されます。詳しくは稲取温泉旅館協同組合<電0557(95)2901>へ。
※プレイヤ-をお持ちでない方は、ここからダウンロ-ドして下さい。

華やかな段飾りに目を奪われがちなひな祭りですが、江戸時代から伝わる手作り飾りの素朴な中にもきらびやかな味わい、優しさ、温かさを、今回の取材で再認識しました。子どもや孫への思いを込めて、ひと針ひと針手作りする「縫い手」の姿を想像すると、職人が作る人形とはひと
味違ったぬくもりが感じられる気がしました。神奈川県鎌倉市から作り方を学びに来ていた夫婦は、「2人目の娘のために」と楽しそうに話してく
れましたが、表情は真剣そのものでした。江戸時代から伝わる文化を全国に発信している「雛のつるし飾り」。一度、間近でご覧になってみる
ことをお勧めします。(デジタル編集部 吉本寿)