
春先には植物の早い芽吹き、夏場は猛暑、年末には季節外れの夏日と、この1年を振り返っても「地球の温暖化」が進んでいることを実感させられます。過去100年間で、地球の平均気温は0.4度から0.8度上がったといわれ、さらに100年間で5.8度も上がると予想されています。「地球温暖化」を抑えるために、私たちができることはないのでしょうか。1月末、サッカーJリーグの清水エスパルスが国内プロスポーツ界では初となる「カーボンオフセット」に取り組むと表明しました。活動が温暖化防止にどう役立つのかを取材しました。

「カーボンオフセット」を説明する前に、「京都議定書」について説明します。大気中にある二酸化炭素(CO2)などは、地球が宇宙に放出するエネルギーの一部を跳ね返す性質をもっていることから、「温室効果ガス」と呼ばれています。そして、温室効果ガスの増加が、地球を温暖化し、自然の生態系などに悪影響を及ぼすとされています。
温室効果ガスの大気中濃度を安定化させることを目的に1992年、地球環境サミットがブラジル・リオデジャネイロで開かれ、「気候変動枠組条約」が締結されました。条約の目的達成のため、97年に日本で開催された地球温暖化防止京都会議で、先進国が出す温室効果ガスの平均総量を90年の水準から5%以上減らすことを約束したのが「京都議定書」です。
世界の排出量の4分の1近く(2000年当時)を占めるアメリカが、2001年に「京都議定書」への不参加を表明しましたが、ロシアが2004年に批准したことで、ようやく発効要件が満たされ、今年1月1日から5年間の「拘束期間」に入りました。174の国と地域(2007年6月現在)が期間中、それぞれ課せられた目標値の達成に向けて努力します。
※各国・地域の「削減目標値」の例
日本…6.0%減、オランダ…6.0%減、イタリア…6.5%減、英国…12.5%減、ドイツ…21.0%減など

日常生活で排出された温室効果ガス、すなわち二酸化炭素(CO2)は、植物が光合成で利用します。光合成によってCO2が減り、酸素が供給されます。そこで、CO2などの温室効果ガス削減を目的に、人工的に森林を増やす行為などを「カーボンオフセット」と呼びます。CO2(炭素=カーボンを含む)などの温室効果ガスを「相殺=オフセット」することから、こう呼ばれているのです。しかし、国よっては技術レベルが及ばないなど対応が難しい場合もあります。そこで、他国で温室効果ガス削減対策をとり、自国で対応したとみなす措置が認められました。この仕組みが「京都メカニズム」です。
京都議定書は、先進国に対して削減目標を設定していますが、途上国には設定していません。目標達成のための柔軟的措置として導入された「京都メカニズム」には、(1)クリーン開発メカニズム(2)共同実施(3)排出権取引-という、市場原理を活用する3つの仕組みがあります。自国での削減努力を減退させてしまうとの声もありますが、日本など多くの国が取り入れています。
エスパルスが取り組む「カーボンオフセット」は、クリーン開発メカニズム(下表参照)の一例です。先進国が途上国の温室効果ガス削減プロジェクトに投資し、削減分を国連など第三者機関による認証を受けた後、先進国の排出枠として認める、という仕組みです。
※「京都メカニズム」(環境省ホームページを参照)
| (1)クリーン開発メカニズム |
先進国Aが、途上国と協力して温室効果ガスを減らした場合、その量を先進国Aで減らしたものとする仕組み |
| (2)共同実施 |
先進国AとBが、共同でガス排出量を減らした場合に、その量をA・B間で売り買いする仕組み |
| (3)排出権取引 |
先進国の間で、ガスの排出量を売り買いする仕組み |


2008年1月31日、株式会社エスパルスは「カーボンオフセットクラブ化計画」を発表しました。日本国内のプロスポーツ界で初の取り組みです。いったいどんな内容なのか、早川巖社長に伺いました。

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国の地球温暖化対策推進法に基づき、全国の市町村も温室効果ガスの削減に向けた具体的な計画づくりを進めています。エスパルスのホームタウン静岡市の取り組みについて、静岡市環境総務課の笠井貴人さんに、策定中の計画の概要などを伺いました。

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1人1人ができることはささやかかもしれません。しかし、「ちりも積もれば山となる」。毎日のちょっとした心掛けが、地球温暖化防止対策につながります。全国地球温暖化防止推進センターは「家庭でできる10の対策」を紹介しています。
家庭でできる取り組み10項目(抜粋、全国地球温暖化防止推進センター作成)
・冷暖房の温度設定を「1度抑える」。冷房は1度上げて、暖房は1度下げて設定する。
・自動車での通勤を、公共交通や自転車、徒歩に切り替えてみる。
・使っていない家電は、主電源を切るかコンセントを抜く。
・風呂の残り湯を洗濯に使いまわす。
・ポットやジャーの「保温」をやめる。
・買い物では「マイバッグ」を持ち歩き、省包装の野菜などを選んで購入する。

スイッチひとつで簡単に部屋を明るくしてくれる電気は、便利なものです。しかし、電気をつくる発電が火力発電であれば、多くの二酸化炭素が発生します。車も便利な交通手段ですが、排気ガスも二酸化炭素を含みます。地球が温かくなり過ぎないために、こまめに節電したり、近場であれば車の使用を極力控えたりすることも大切だと、あらためて感じました。生活の便利さと引き換えに大きなツケが回ってくることもあると、心しておくことが大切かもしれません。(デジタル編集部 吉本寿)