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デジ記者Webレポート

マイバッグでお買い物 広がるレジ袋有料化

2008/05/28




 「レジ袋1袋につき○円いただきます」-。今、スーパーなどのレジ袋の有料化を官民一体となって進める動きが県内各地に広がり始めています。掛川市を皮切りに島田市、磐田市などで既に導入され、昔ながらの買い物かごやマイバッグ・エコバッグを手に買い物をする光景が普通になりました。袋井市でも6月上旬には食品スーパー全店で実施、御殿場市も9月に有料化に踏み切る方針で、この流れは止まりそうにありません。先進地・掛川などを取材し、有料化が急速に進んでいる背景を探りました。



 関係者が口をそろえて大きな要因の一つと指摘するのは、昨年4月に施行された改正容器包装リサイクル法。小売業者がこれまで以上に、レジ袋や食品トレーをはじめとする容器包装廃棄物の排出抑制を求められるようになりました。
 年間50トン以上容器包装を使う大規模業者は、取り組み状況を毎年国に報告することが義務付けられ、不十分な業者には国が改善勧告も行える仕組みを作りました。中小業者も「大手が『環境』への取り組みを前面に出してくる中、尻込みしてはいられない」(県西部の小売業者)状況になったといいます。
 環境省が主導するこうした廃棄物抑制の流れの背景に、二酸化炭素の排出抑制による「地球温暖化防止」があることは、既にご存じの方も多いでしょう。政府によると、国内では年間約300億枚のレジ袋が繰り返し使われることなく、ごみにされているというのです。

主な実施自治体
協定締結
有料化実施
掛川市 2007年4月 2007年6月~
島田市 2008年3月

2008年4月~

磐田市 2008年4月 2008年5月~
袋井市 2008年4月 2008年5月~
森町 2008年4月 2008年5月~
御殿場市 2008年9月(予定)

 ただ、中小業者が大半の地方スーパーに、今回の法改正が強制力を持つわけではありません。環境に対する取り組みを企業イメージの向上に役立てる流れが進んでいることに加えて、何より消費者にエコ意識が浸透してきていることが改正法に命を吹き込み、小売業者がレジ袋の有料化に踏み切れる土壌をつくったといえそうです。
 5月16日から22日までShizuokaOnline.comホームページ、静岡新聞SBS携帯サイトで行った投票アンケート「どっちゴング」では、163件の回答のうち、レジ袋有料化について「賛成」が101件(62%)、「1袋あたり10円未満なら賛成」が45件(28%)と、9割が好意的に受け止め、「反対」は10%にとどまりました。





 掛川市では2007年4月、市と市消費者協会、掛川スーパーマーケット協会の3者が協定を結び、同年6月から5社9店舗でレジ袋有料化がスタートしました。同年1月に構想が打ち出されてから半年弱でのスピード実施でした。その後、08年3月末までに市内すべての食品スーパー(17店舗)など17社20店舗が実施するまでになりました。
 掛川スーパー協会の伊藤義晴会長(掛川スーパーマーケット会長)にスタートから1年を迎えた今の思い、スムーズに導入が進んだ掛川ならではの背景などについてお話をうかがいました。伊藤会長は掛川ならではの背景に、関係団体の熱意と団体間の結びつきの強さ、二宮尊徳の報徳精神に裏付けられた市民意識の高さがあったと指摘します。


※プレイヤ-をお持ちでない方は、ここからダウンロ-ドして下さい。


掛川スーパー協会
伊藤義晴会長





 掛川市や市消費者協会などの調査では、マイバッグ持参率は実施前の38%から93%に上昇。07年6月から08年3月まで10カ月間のレジ袋削減量は約650万枚で、石油換算でドラム缶約580本分にも上ったといいます。スタートから1年が過ぎても持参率の低下は見られず、すっかり定着したと言い切ってよさそうです。
 こうしたレジ袋削減などの取り組みが認められ、市は08年3月に環境大臣表彰を受けました。市は今後の方向性、課題をどのようにとらえているのか、市環境企画係長の浦野正守さんにお話をうかがいました。
 浦野さんは「今後もホームセンターやドラッグストア、コンビニ、個人商店などに協力を呼び掛けたい」とし、市民が制作した啓発オリジナルソング「いつも持っているマイバッグ」や各種イベントなどを活用しながら、官民一体となって「さらに活動の輪を広げていきたい」と話していました。

→「いつも持っているマイバッグ」を聞く
  (WindowsMediaPlayer、掛川市提供)






 取材で訪れた掛川市内のスーパーで見た光景は驚きでした。主婦の多い昼時だったこともあるでしょうが、誰一人として袋を購入している人を見掛けませんでした。市民意識の高さを繰り返し称賛した掛川スーパー協会の伊藤会長でしたが、「いくら市民の意識が高いといっても、マイバッグ持参の呼び掛けだけでここまでにはならなかっただろう」といいます。ほんの30年ほど前までは当たり前で、苦でもなかった「買い物かごでお買いもの」の時代に戻るきっかけを「有料化」が与えてくれたということでしょう。
 昨今は急速な食料品の原価上昇をそのまま売価に反映しにくい状況から、小売業者は経営を圧迫されています。レジ袋自体も原油高の影響で仕入れ値が上がりました。業界を取り巻く経済状況も「レジ袋を有料にしたら客が遠のくかもしれない」と尻込みしていた小売店の背中を押す結果になっていると指摘する声も聞きました。多くの市民の賛意を得ることが大前提ではありますが、今が市や町単位でレジ袋の一斉有料化を決断する好機にあると言えるのかもしれません。
(デジタル編集部・松本直之)



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