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デジ記者Webレポート

2月23日は初の富士山の日

2010/02/18


 静岡県が昨年、2月23日を「富士山の日」と条例で定め、ことし初めての「富士山の日」を迎えます。
 北海道の蝦夷富士(羊蹄山)から鹿児島県の薩摩富士(開門岳)まで全国340の見立て富士があり、富士を望める町には富士見
町や富士見坂などの名称があるなど、標高3776メートルの日本一の高さを誇る富士山は日本人にとって特別な存在の山です。古今東西、日本人の心のよりどころとなっている「富士山」を、あらためて注目しようというのが「富士山の日」です。


          

 浮世絵師・歌川広重の「東海道五十三次」に描かれ、歌人・山部赤人が「田子の浦ゆ うち出でてみればま白にそ 富士の高嶺に雪は降りける」と百人一首に歌を残し、作家・太宰治は「富嶽百景」で霊峰の雄姿をさまざまな言葉で表現しています。此花咲夜姫(このはなさくやひめ)の神話が伝えられ、富士の裾野に位置する富士宮市には姫が舞を舞ったとの伝説から「舞々木町」の町名も残るなど、富士山は静岡県の生活風土、文化など多岐に渡ってかかわりのある山です。
 静岡県の川勝平太知事が毎年2月23日を「富士山の日」に定めようと県条例案を発案し、昨年12月の県議会定例会県民委員会で採決されました。条例は世界文化遺産登録実現に向けて、県民機運の盛り上げと富士山憲章の理念を普及することを目的としています。県は富士山を後世に引き継ぐための県民運動の促進に努めることを責務として、この条例を定めました。


◆県内の主な「富士山の日」イベント情報

 県は2月3日、大阪での「関西地区・ふじのくに交流会」を皮切りに、富士山を後世に引き継ぐ各種県民運動をスタートしました。初の富士山の日となる23日には、静岡市で「富士山世界文化遺産フォーラム」の開催を予定しています。
 県内市町でも多彩なイベントが計画されています。富士市にある富士山こどもの国では「富士山ものしりクイズ」として、園内こどもホールに富士山に関するクイズに自由に挑戦できるコーナーを設置するほか、沼津市では23日、海越しの富士山を眺められる絶景ポイントの金冠山ハイキングを予定しています。
 民間団体でも、旅館が富士山の標高にちなんだ割引料金を設定したり、富士山関連の特産品の販売など盛りだくさんのイベントが計画されています。

※詳しくは、アットエスの特集「2月23日は富士山の日」へ。




  藤枝市立花の増田善巳さん(68)は、うなぎ屋「まるはん へそ曲がり」を営みながら、富士山の雄姿を40余年にわたってカメラに収めてきました。
 「カメラなどメカが好きで、撮影を始めた22~23歳のころは、クモや花を撮っていた」と話す増田さんは、その後、好きな山を撮ろうと考えましたが、「多忙で時間がつくれなかった」ために山岳写真をあきらめ、比較的身近にあった富士山を被写体に選んだといいます。
 今では富士山の撮影スポットとして知られ、多くの写真愛好家が集る山梨・忍野村に撮影に行っても「人影はまばら」で、撮影者同士が顔なじみになるほどでした。撮りためた富士山の写真をコンテストに出品すると入賞するようになり、写真仲間が作ったカレンダーに刺激を受け、27年ほど前からは自らカレンダーを作り始めました。
 「店の広告になれば」と毎年作成したカレンダーが「好評」で、来日した中国残留日本人孤児に、知人を通じて贈りました。日本と韓国で2002年に開催されたサッカーワールドカップの際は、県内をキャンプ地としたセネガル(藤枝市)、ロシア(旧清水市=現静岡市)の両代表への記念品にもなったそうです。
 増田さんは富士山の魅力を「富士山は別格の山。小さい時から見ていて、信仰心もある」と表情を緩めました。
 ところが、尊敬していた高校時代の恩師が他界したことがきっかけで精神的に追い込まれ、打開策として「自分の好きなこと断とう」と思い立ち、カメラを置いたという増田さん。一緒に写真を撮り続けてきた仲間が8年ほど前、脳梗塞(こうそく)で病床に伏したことも、「俺ばかり撮り続けることはできない」という思いを強くさせたといいます。

    ※プレイヤ-をお持ちでない方は、ここからダウンロ-ドして下さい。

         

接客中も話題が途切れない増田さん

多彩な情景を切り取ってきた

季節や生活風習を入れ込んできた





  静岡新聞社・静岡放送は富士山の世界遺産登録運動を支援し、静岡新聞紙面では関連する県内外の動きをきめ細かく報道しています。既に候補リスト入りを果たし、今後の動きは要注目です。特集「富士山を世界遺産に」は、関連記事をピックアップしてお伝えしています。
 
▽世界遺産とは
 世界各地には保存や保護を必要とする歴史・文化遺産、自然環境などが数多くあります。『過去から引き継がれてきた地球や人類
の歴史を世界中で協力し、未来へ繋げていこう』という考えの下に締結された「世界遺産条約」に基づき、世界186カ国(2009年4月現在)が相互協力して、これらを保存や保護活動を行っています。世界遺産は、文化、自然、複合などのカテゴリーがあり、2009年7月時点で、890件が登録されています。「世界遺産条約」は、正式には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(Convention Concerning the Protection of the World Cultural and Natural Heritage)といいます。世界中の顕著で普遍的な価値のある文化遺産・自然遺産を人類共通の宝物として守り、次世代に伝えていくことの大切さを唱えている国際条約です。1972年のUNESCO総会で採択され、日本は1992年、125番目の加盟国となりました。

▽世界遺産の主なもの(2010年2月1日現在)
・アンコールワット寺院で知られるアンコール(カンボジア)
・モヘンジョダロの遺跡群(パキスタン・イスラム共和国)
・古都アユタヤ(タイ)
・万里の長城(中国)
・シドニー・オペラハウス(豪州)
・法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)
・広島原爆ドーム(広島県)
・古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)(京都、奈良、滋賀県)など

「世界遺産リスト」はこちら
(社団法人 日本ユネスコ協会連盟の公式サイト)




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 「富士山の日」は学校も休日にとの声も聞こえますが、「休日が多く、カリキュラムの消化が難しい」という教育現場の声があるのも事実。富士山に親しむ授業が展開される日であっても良いかもしれません。富士山という題材は、県内ばかりでなく世界的視野へも展開可能で、どの教科でも取り扱えるのではないでしょうか。「まるはん へそ曲がり」の増田さんは「静岡県に限らず、富士山の見えるすべての県に富士山の日を設けては」、とユニークな意見を聞かせてくれました。(デジタル編集部・吉本寿)




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