県の「森づくり県民大作戦」の一環として、先週末、藤枝市にある「元井戸」で「エコアップ大作戦」が実施された。すでに6年目を迎えたこの活動に、子どもからお年寄りまでの70人が快い汗を流した。周辺の水源林である山には昭和35年に杉が植林されたが、管理されず荒れるに任せていた。杉の倒木だけでなく、孟宗(もうそう)竹林がかなり拡大し、井戸の石垣をも圧迫している。今回の主な仕事もヒョロヒョロな杉の間伐と竹の伐採だ。
瀬戸川と里山の間に掘られた100平方メートルほどの井戸は、江戸時代から藤枝の宿場町を潤す生活水の水源として大切にされてきた。荒ぶる川を鎮める飽波神社の大祭で使う山車の車輪は赤松の巨大な丸太だが、それを浸けて清めるのも「元井戸」の役割だ。瀬戸川の伏流水と里山の蓄えた水が美しい「元井戸」を形成している。
安全で豊かな暮らしを導く健康な森林の恵みは、計り知れないものがある。まずは、森と水の切っても切れない関係に気付いてほしい。
(富士常葉大学教授)
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▼山田辰美(やまだ・たつみ)氏 1952年、藤枝市生まれ。NPO里の楽校理事長、富士学会監事などを務める。川や里山などの生態研究や環境教育の最前線に立つ。
山田辰美氏が生活の中で自然と触れ合うヒントを連載したコラム「山田辰美の自然だいすき」は静岡新聞の金曜日夕刊に連載中です。SBSラジオ「山田辰美の土曜はごきげん」は毎週土曜日午前7時から放送。
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