旭化成富士支社の敷地内に約1ヘクタールの環境活動ゾーンが作られ、多くの地域住民を集め植樹が行われた。工場の敷地内に緑地を造成するのは、法的にも義務付けられ、いわば常識であるが、ここまで大規模でしかも湿地や田んぼ、小川まで配した空間を作るのは珍しい。新しい工場緑化のモデルとなるものだ。
国際生態学センターの宮脇昭先生の指導の下、タブノキ、スダジイ、アラカシなどの常緑広葉樹を中心に2万本もの多くの木が植えられた。地域に本来あったはずの深い森(潜在自然植生)の復元を図ろうというものだ。「いのちの森」と名付けられた空間はさらに多様な自然の復元を目的にしている。
数多くの昆虫や野鳥などを集めるのは雑木林や草原。富士地域にあった浮島ケ原という広大な湿地は今や壊滅的だ。田んぼや小川なども、土地改良によってホタルやメダカさえも珍しいものになった。富士常葉大学の環境防災学部の自然再生チームがかかわって、これらの野生生物が豊かで季節感あふれるビオトープの復元を目指していく。
(富士常葉大学教授)
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▼山田辰美(やまだ・たつみ)氏 1952年、藤枝市生まれ。NPO里の楽校理事長、富士学会監事などを務める。川や里山などの生態研究や環境教育の最前線に立つ。
山田辰美氏が生活の中で自然と触れ合うヒントを連載したコラム「山田辰美の自然だいすき」は静岡新聞の金曜日夕刊に連載中です。SBSラジオ「山田辰美の土曜はごきげん」は毎週土曜日午前7時から放送。
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