蛍狩りは真夏の風物詩と思っている人が多いが、実は梅雨の直前こそが蛍の季節だ。宵闇の中で飛翔(しょう)しながら明滅する様子は情緒豊かで美しく、多くの人に感動を与える。先日、千葉県の幼稚園が主催した蛍観賞会に招かれたが、神秘的な光に目を見張り親子で大きな歓声を上げていた。
蛍の光は不思議だね。素手で捕らえられるほどの緩やかな飛び方の甲虫が闇夜に光るのは、外敵に狙われるので命懸けのことだ。成虫になった蛍は餌を取ることはなくつゆをすするだけなのに、激しく光ることで命を縮めている。そんなにしてまで蛍はなぜ光るんだろう?それはね、世界で1番静かな愛の言葉なんだよ。蛍は出会いを求めて光っているんだね。
「ほー、ほー、ほーたる来い」。蛍の明滅のリズムに合わせて歌う歌。自然の息遣いに心寄せる体験は子どもたちをうっとりとさせる。幼い子どもがこの世界で懸命に生きている生き物たちの存在に気付くことは大切なことだ。ふるさとの美しい水辺がこのきらめきを生み出しているんだ。
(富士常葉大学教授)
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▼山田辰美(やまだ・たつみ)氏 1952年、藤枝市生まれ。NPO里の楽校理事長、富士学会監事などを務める。川や里山などの生態研究や環境教育の最前線に立つ。
山田辰美氏が生活の中で自然と触れ合うヒントを連載したコラム「山田辰美の自然だいすき」は静岡新聞の金曜
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