今年の夏キャンプ「里の楽校」は、カッパの気持ちになって川を流れ下る計画だ。カッパの野性の心が、やわな子どもたちに乗り移り、怒ったりべそをかいたりする。
「俺たちを育ててくれた川が変だよ、いつからだろう、もっちり肩の上がったアユや毛深いズガニ、チクリと刺すアカザ、石化けするアユカケ、生き物たちのにぎわいが消えて、寂しい川になっちまった。ハヤやフナすらろくすっぽいねえ。白波がわく激しい水音の早瀬も、ラムネビンの底のような深い淵もどこへ行っちまったんだ。コンクリートに囲まれて、のっぺりとした面白みのない水の流れが増えた。
け、人は川まで変えちまったぜ。
くねりながら流れ下る川が見せる表情を、岩の上から飽きず眺めていたけど、こんな川じゃあ、ほとほと愛想をつかすよ。大好物のウリのにおいのするアユも獲れず、その上遊び相手の子どもたちもめったに姿を見せない。独りぼっちは慣れっこの俺だが、腹ペコで腹ペコで、くやしくて、さびしくて、やけのやんぱちカッパの川流れだ」
(富士常葉大学教授)
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▼山田辰美(やまだ・たつみ)氏 1952年、藤枝市生まれ。NPO里の楽校理事長、富士学会監事などを務める。川や里山などの生態研究や環境教育の最前線に立つ。
山田辰美氏が生活の中で自然と触れ合うヒントを連載したコラム「山田辰美の自然だいすき」は静岡新聞の金曜
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