歳末商戦でひときわ存在感のある商品として、カニが人気だ。お正月など、食卓の中央を飾るタラバガニが家族の熱い目線を集める事になるが、脚の数が物議をかもす。はさみ脚が1対なのは普通だが歩脚が3対しか見当たらない。誰かが歩脚1対分を食ってしまったのかと思い、甲羅をひっくり返して裏側を見ると驚くべき正体が分かる。
ところで、エビとカニは脚が合計10本ある甲殻類の仲間で、口器や生殖器などもほとんど似かよっている。エビの腹部が薄く小さくなって脚の間にくっついた形態になったのがカニと思えばよい。つまり、エビからカニが進化した。
エビ類は天敵の軟体動物(アンモナイトなど)から逃れるために、硬い甲羅を持ったカニになっただけでなく、貝の抜け殻に潜んでくらすヤドカリにも進化した。そして、北の海に進出したヤドカリは貝殻を脱ぎ捨てて、巨大化し栄養豊かな海底を闊歩(かっぽ)する道を選んだ。そう、タラバガニはヤドカリだったんだ。腹部が渦を巻いているのと、貝を支えていた1対の足がヤドカリ生活の名残だよ。(富士常葉大学教授)。
▽SBSラジオ「山田辰美の土曜はごきげん」は土曜日午前7時から。
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▼山田辰美(やまだ・たつみ)氏 1952年、藤枝市生まれ。NPO里の楽校理事長、富士学会監事などを務める。川や里山などの生態研究や環境教育の最前線に立つ。
山田辰美氏が生活の中で自然と触れ合うヒントを連載したコラム「山田辰美の自然だいすき」は静岡新聞の金曜日夕刊に連載中です。SBSラジオ「山田辰美の土曜はごきげん」は毎週土曜日午前7時から放送。
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