お手玉を教えてくれたのは、おばあちゃんだったでしょ。台所の片付けなどで忙しいお母さんに代わって、昔話を聞かせたり、あやとりやお手玉の相手をしたりするのは、たいていおばあちゃんだった。おばあちゃんによる遊びや昔話の伝承は核家族化とテレビの普及で失われてしまっただろうか。
お手玉のルーツは中国から伝わったものらしいが、平安時代から石を使った遊びとして広がり、江戸時代には、袋の中に粟(あわ)、ひえ、大豆などを入れた今の形態になったという。昔から全国各地でよく遊ばれていたが、遊び方は多種多様で、数え歌も違う。お手玉などの遊びは、脳を刺激して集中力を増すことになり、子どもの頃から親しむことで日本人の手先の器用さに大いに貢献しただろう。
おばあちゃんがお針箱と布切れとそれから川端で集めたジュズダマを取り出すと、新しいお手玉作りが始まる。のぞき込んでいた女の子もいつか向かい合って正座して、縫い物の手ほどきを受けている。そんな教育もあるんだね、おばあちゃん。
(富士常葉大学教授)
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▼山田辰美(やまだ・たつみ)氏 1952年、藤枝市生まれ。NPO里の楽校理事長、富士学会監事などを務める。川や里山などの生態研究や環境教育の最前線に立つ。
山田辰美氏が生活の中で自然と触れ合うヒントを連載したコラム「山田辰美の自然だいすき」は静岡新聞の金曜日夕刊に連載中です。SBSラジオ「山田辰美の土曜はごきげん」は毎週土曜日午前7時から放送。
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