自分の血液をほんの1滴取って顕微鏡でのぞくと、アメーバのように自在に動いている白血球が観察できる。白血球は独立した生命体として、「俺の人生は俺が決める」と思っているかのようだ。もちろん、私が生きているから白血球の命があるわけなのだ。それと同じことが私たち地球生物にも言える。地球という大きな生態系が健やかに存在しているおかげで、初めて私たちは生を全うできる。水、食料、大気など何を取っても、自分ひとりではこの世に存在できないんだよ。
大気や海水の成分、気温などを一定に保つことから、地球をひとつの生命体としてとらえる「ガイア理論」が提唱された。春に大地から芽吹く草花も、蜜を求めるハチやチョウも、それを食べる野鳥も地球という生態系の中で、命のバトンタッチである循環を繰り返している。ヒトを含むすべての生命現象はガイアと呼ばれる巨大な生態系の一部分なのだ。雄大なその営みの中に自分の人生を見つけた時、人は穏やかな感慨を抱く。無常という悟りの境地は、季節を感じさまざまな生き物と触れ合い、食と農を楽しみ生かされている自分に気付くことから始まるんだね。
2年間、ご愛読いただき、感想や励ましをくださった多くの方々に感謝申し上げます。(富士常葉大学教授)
このコラムは今週で終了します。
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▼山田辰美(やまだ・たつみ)氏 1952年、藤枝市生まれ。NPO里の楽校理事長、富士学会監事などを務める。川や里山などの生態研究や環境教育の最前線に立つ。
山田辰美氏が生活の中で自然と触れ合うヒントを連載したコラム「山田辰美の自然だいすき」は静岡新聞の金曜日夕刊に連載中です。SBSラジオ「山田辰美の土曜はごきげん」は毎週土曜日午前7時から放送。
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