静岡市駿河区向敷地の地域コミュニティーから発足した農産物販売所ふれあい農園「四季路」=鈴本博紀代表(55)=が4日、開設1周年を迎えた。畑の一角に立てられたプレハブ店内には、地域で獲れた旬の野菜が持ち寄られたほか、農園で収穫したソバの実をひいた手打ちそばなどが並び、市価の半値ほどの新鮮で安全な作物を買い求める客でにぎわった。 同園は昨年7月、地元の農家3軒で立ち上げた。「家庭菜園でも自宅で食べきれないほど大量にできてしまうこともある。作物を持ち寄って、楽しみながら農業に取り組もうという思いで始めた」と鈴本代表。委託直売で値段を抑え、生産者名の入ったシールを貼って、「安心・安全」をうたった。 開設1年で参加農家は約30軒にまで増え、販売所は地域の寄り合い所のような存在になった。また、作物に関する情報交換をすることで、栽培品種の重複もできるだけ避けられるという。 家庭菜園を楽しむ人も栽培情報の入手先に販売所を訪れ、鈴本代表は「販売だけでなく、栽培や調理の仕方などの情報を交換し、互いに向上心を持って土に親しんでいる」と話す。生産者が自発的に店番するのをはじめ、販売所裏に畑を持つ鈴本代表も「畑作業をしながら店番をしている」と笑う。雑草取りも地域で協力し、農薬使用量を抑えて昔ながらのコクのある作物づくりに努めている。 市内のスーパーマーケット関係者が「売れる秘けつ」を問い合わせてきたほど。「向敷地地区は新興住宅地と農業従事者の多い地区が交わり、このやり方が成功した」とメンバーの渡辺武さん(51)。 開設から1カ月ほどは1日の売り上げが300円という日もあり、「何回やめようと思ったことか」と鈴本代表。「しかし、雨が降っても誰かが作物を持ってきてくれるかと思うと、休めなかった。生産者の皆さんに支えられている販売所を中心に、地域の輪が広がっていると感じる」と目を細め、「NPO(非営利団体)化も視野に入れている」と発展を見据えた。
開設1周年を迎えたふれあい農園「四季路」=静岡市駿河区向敷地
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