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(写真1)高谷池を取り囲む紅葉。後ろの山は高妻山
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秋の深まりにつれ、あちこちから紅葉の便りが届く。春の花便りとともに心を浮き立たせる知らせだ。今年の紅葉は温暖化の影響で平年に比べ見ごろが全国的に1週間から10日以上も遅れているという。それでも一足早い紅葉を見たくて10月初旬、新潟県の妙高・火打登山に出かけた。
妙高山(2,454メートル)、火打山(2,462メートル)のある上越地方は古くから頸城(くびき)地方と呼ばれる。いかにも長い歴史と伝統を感じさせる地名で、1250年も前の古文書に頸城の地名が記されているという。山好きが「頸城」と聞けば妙高山、火打山に焼山(2,400メートル)を加えたいわゆる頸城三山をすぐに思い浮かべる。長野県に隣接し日本海に近い頸城山塊にあって、三山そろって2400メートルを超える山並みは遠く北アルプスからもその存在感を誇って見える。
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(写真2)紅葉の登山道を高谷池に向かう
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(写真3)優雅な姿を見せた火打山(右)。左が焼山
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妙高山は越後富士とも呼ばれ上信越自動車道の車窓から荒々しくも秀麗な姿を望むことができる。長野県境に最も近い焼山は山腹から水蒸気を吹き上げる活火山だ。その間に両山を従えるように火打山が緩やかな稜線を広げる。優しい姿の中にも三山の盟主という風格が漂う。懐には高谷池、天狗の庭、黒沢池などの湿原を抱き、花の山としても人気が高まっている。湿原の草紅葉も期待して笹ヶ峰から登り、高谷池、火打山、黒沢池、妙高山へと1泊2日で辿った。
このコースを歩くのは今回が2度目。11年前の前回は9月だったため花は終わり、紅葉には早いというちょっと中途半端な時期だった。それだけに今回は紅葉への期待が大きかった。午前5時すぎに到着した登山口・笹ヶ峰の広い駐車場は紅葉を求める登山者の車で既に埋まっていた。標高1300メートルの凛とした空気を吸って6時に出発。好天に恵まれて快調に高度を稼ぐ。登山道は木道がかなり整備され、前回に比べてずっと歩きやすい。
3時間ほどで到着した高谷池は草紅葉が光り、その向こうに火打山が女性的な優雅な姿を見せていた。荷物を高谷池のヒュッテにデポして身軽になり、火打山に向かう。振り向けば深い秋色に包まれた高谷池の池塘がまぶしいほどにキラキラと輝いている。木道を一登りすると天狗の遊び場だったという天狗の庭だ。火打山を背景に岩と池塘と紅葉が織りなす自然の造形に息を飲む。池塘には青空をバックにした逆さ火打が映る。カメラのシャッターを何回押しただろうか。
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| (写真4)高谷池から望む火打山 |
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(写真5)草紅葉と紅葉に輝く高谷池
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火打山山頂には360度の大展望が待っていた。次々と山頂を踏む登山者が思わず歓声を上げる。近くに妙高山、焼山、雨飾山、高妻山、黒姫山など頸城山塊から戸隠連峰の山々が手にとるように見渡せ、西から南に向けて白馬岳から槍・穂高岳まで3000メートル級の峰々を連ねる北アルプスが壁のように立ちはだかっている。遠く目を凝らすと遥か彼方に南アルプス、八ヶ岳連峰、そして富士山が浮かんでいる。見上げれば薄く広がるうろこ雲が山頂の秋を演出していた。 去り難い思いを残して高谷池に戻り荷物を回収、この日の宿の黒沢池ヒュッテには午後2時前に到着した。ヒュッテ前のベンチで周りの紅葉を眺めながら仲間と飲んだビールの味がいかばかりだったかは言うまでもない。
翌日は打って変わって冷たい雨となった。前日があまりに恵まれすぎたこともあり気持ちは落ち込んだが、薄暗い登山道を明るく照らすように色づいた木々が気分まで明るくしてくれた。流れるガスの中にボーッと浮き上がる紅葉は幻想の世界を創り出していた。
山頂からはもちろん展望はなかった。前回登山も妙高は雨だった。3度目の訪問はないだろうなと思いながら山頂を後にした。
(O.K=静岡市在住)
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| (写真6)火打山を背景に池塘と岩と紅葉が美しい天狗の庭 |
(写真7)池塘に青空が映える天狗の庭 |
(写真8)火打山山頂近くから天狗の庭と妙高山 (左上)を望む |
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| (写真9)登山者でにぎわう火打山山頂 |
(写真10)火打山山頂で大展望を楽しむ人たち |
(写真11)雨の中、妙高山の登山道を明るく照らす紅葉 |