森林植物園(入場無料)も見応えがある。野鳥のさえずりを聞きながらミズバショウが咲き誇る園内の木道散策は時が経つのを忘れさせてくれる。自生のものはめったに見ることができなくなった絶滅危惧種のドガクシショウマが、園内にある森林学習館の庭に保護されて咲いていた。うつむき加減に咲く淡紅紫色の花は楚々とした麗人を見るようだった。
早朝に訪れた鏡池はその名の通り戸隠連山を鏡のような水面に映していた。「どちらが映っているのか分からないほどだな」と同行のSさんが感嘆。カメラのシャッターを何枚も切る。見事な鏡ぶりに「ちょっと水面が揺れるといいのだが」などという贅沢な声が聞こえた。小鳥ヶ池は東山魁夷の絵を見るような心休まる光景を見せていた。
戸隠といえば、そば。ハイキング旅の締めくくりに中社前の行列ができるそば屋で竹ざるに盛られたそばの味を満喫。天気にも恵まれて目には美しい自然の姿を焼きつけ、お腹には本場のそばの味を滲み込ませて、またの来訪を胸に秘めた。
(O.K=静岡市在住)