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おとな派 学ぶ

艦砲射撃被弾の木の下で「語る会」 浜松・栄秀寺

2008/07/30

 遠州灘からの米軍の艦砲射撃で多くの犠牲者を出した昭和20年7月29日の悲劇を語り継ごうと、砲撃の被害を受けた浜松市中区領家の栄秀寺で29日、艦砲射撃を語る会が開かれた。同寺で艦砲射撃があった7月29日に語る会を開くのは戦後初めて。桑山源龍住職(76)は「若い世代にあらためて戦争の悲惨さを伝えていこうと強く思った」と平和の継承に決意を新たにした。
 63年前の7月29日夜、同寺の境内にそびえる樹齢約300年のイチョウの木に砲弾が着弾し、高さ約30メートルはあった幹の上半分が吹き飛んだ。中学生だった桑山さんは家族と境内の防空ごうに避難して無事だったが、寺から約200メートル離れた屋外にいた近所の女性と子供に砲弾の破片が直撃し、2人は亡くなったという。
 イチョウは戦後、枯れることなく成長し、この数年でようやく元の姿に戻った。イチョウの木の下に集まった約50人の小学生に、桑山さんは実際の艦砲射撃の砲弾の破片を見せながら、「この木はかわいそうな木。今は穏やかな顔をしているけど、随分つらい思いをしたんだよ」と語り掛けた。
 語る会には、寺の近くに住む県戦災遺族会長の上原宏さん(90)も参加し、当時中学生だった妹を艦砲射撃で亡くしたつらい体験を語ったほか、浜松市内で空襲を経験した市民も参加した。市立相生小3年の白柳綾乃さん(9つ)=同市中区=は「爆弾がたくさん落ちてきたという話を聞いて、戦争は怖いなと思った」と話した。

 艦砲射撃 昭和20年7月29日深夜、米軍の軍艦が洋上から行った砲撃。約1時間で2000発の砲弾が発射されたという。浜松市の戦災史によると、死者177人、重軽傷者88人、全壊住宅189戸。本来の標的は同市中心部の工場や軍事施設だったが、多くの一般市民が巻き添えとなった。



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艦砲射撃の被害に遭ったイチョウの木の下で、桑山住職(左)から話を聞く子供たち=浜松市中区領家の栄秀寺



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