静岡市出身の片井文乃選手は、“ボウリング一家”に生まれました。祖母、両親、兄とボウリング好きな家族に刺激され、幼いころからレーンに立ったといいます。10歳のころ、既にマイボールを持っていた片井選手は、20年以上のプレー歴。中学1年で全日本中学ボウリング選手権に初優勝。その後、国体など国内主要大会をはじめ、アジアユース選手権、東アジア選手権でも頂点に立ちました。アジアトップクラスの実力者といえる片井選手は、日本代表キャプテンを務め、4年目を迎えています。普段は静岡市葵区にあるボウリング場に勤務し、業務の合間などに練習を重ねています。フロントにいるとお客さんから声をかけられることもあり「プレーの励みになっています」と笑顔で話してくれました。
「片井選手プロに転向」―。新聞紙面に記事が掲載されたのは2003年の静岡国体の年でした。アジアでもトップクラスの片井選手だけに、動向が注目されました。しかし、「やりたいことがある」との思いからプロ転向は見送ったのです。その思いとは… ボウラーとしての夢は…。片井選手は大きな夢をもってレーンに立つ毎日です。個人優勝ばかりか、静岡県の「天皇杯」「皇后杯」獲得に貢献した5年前の地元国体の際、開催地・浜松の小学生からのプレゼントが「お守り」になっているそうです。目指す選手像なども伺いました。
記者が片井選手を初めて取材したのは、10年以上前のことです。1996年の広島国体で優勝し、全国的に注目され始めたころです。今回の取材中、たびたび見せたあどけなさの残る笑顔は、当時と変わりません。しかし、レーンで見せた表情は、アジアの頂点を目指すボウラーらしく「勝負師」の顔でした。他人に優しい片井選手ですが、自分には厳しく、他人に知られぬところで手首強化のトレーニングを積んでいます。次のアジア競技大会は2年後の2010年、中国で開催予定です。地道な努力で、大きな花を咲かせてほしいものです。(デジタル編集部・吉本寿)